矢吹

LOGAN ローガンの矢吹のレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
4.4
ヒューのウルヴァリンシリーズ、X-MENシリーズラストの作品はLOGAN。
最後にふさわしい、ローガンという一人の男の物語だった。
長い長い歴史に比例して、文章もすごく冗長になってしまう。

最初は主人公にしては他のミュータントよりも地味な戦闘や荒々しい風貌をそこまで好きにはなれていなかったことを思い出した。
ガンガン殺人していくし。
が全10作を見てきた今となってはローガンに対して絶対的信頼を置いている自分がいた。
そして殺人を繰り返してきたヒーロー。人殺しの烙印を背負ったままに、X-MENとして愛する人を守り抜いたウルヴァリンの最期に感動。ローガンは最強で最高にカッコいいヒーロー。

大げさな回想シーンなどは皆無。というレビューを見て改めて感じたが、だからこそ、物語が進むにつれてローガンが愛してきた人々や、チャールズとの思い出などが自然と頭に浮かんできた。
今、彼らが思い描いているのは決まったあの時のあの回想とかではなく、観客、役者、キャラクターそれぞれが頭に浮かぶシーンを思い出せばいいんではないかな。
監督とヒューとパトリックスチュワート。3人で歩んできた永い道のりを乗せて走る重厚なロードムービーにX-MENシリーズへの愛をひしひしと感じた。
ぜひ全作を見てから見てほしい作品。

今までのシリーズと同様、しっかりとアメコミでありつつも差別や迫害と闘うマイノリティの苦しみを描きながら、さらに今回は、X-MEN ZEROにも通じる、造られた人間達というテーマも追加されていて、より重く悲しい物語になっていた。
そして他のアメコミとは一味違うX-MENシリーズに流れるこの雰囲気が好きだった。

ヒューもやけど、女の子が素晴らしかった。
また全部見直そうかな。
前作のサムライが全然面白くなかったが、あの物語も含めて今作の深みが増したと考えられるならば、なんでも許しちゃう。
矢吹

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