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LOGAN ローガンのsaneful92のネタバレレビュー・内容・結末

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

僕のような好みの人間にとっては、評価の難しい映画です。

テーマは、ウルヴァリンの最後の戦いです。ローガンの超回復能力は、戦場では極めて有効です。どれだけ撃たれてもすぐに治る。老いることもありませんでした。誰もが羨む最強の能力のようにも思えます。しかし、仲間が老いて死んでいく中、自分だけは生き残る。ローガンの長い人生は「死」を焦がれる人生だったといえると思います。本作では、ほとんどのミュータントがいなくなってしまった2029年、孤独を感じながらも、少ない仲間のために必死に生きているようでした。そんなローガンの元に、自分の遺伝子を受け継ぐ娘が現れます。彼女に振り回されながらも、最後は彼女を守り、自らは力尽きます。最期の最期、ローガンは満足した表情だったと思います。長い人生の最期に、自分の娘を守るという意味を持たせることができたのは、ローガンが焦がれた死を超えるものだったと思います。

以上のように、テーマの描き方は素晴らしいものであるにも関わらず、私のつける点数がそれほど伸びていないのは、僕の好みの問題だと思います。

本作では、ミュータントは絶滅寸前ですが、なぜそのようになったのか説明がありません。そこは本作のテーマではないので、描写する必要がなかったということだとは思うのですが、X-MENシリーズを公開順に見ていると、これの前は、X-MENアポカリプスです。この作品では、若き日のチャールズとエリックをはじめ、多くのミュータントが登場し、力を合わせてアポカリプスを葬ります。そして、ミュータントたちの幸せな将来を示唆したところで作品は終幕を迎えるのです。このようなハッピーエンドが僕は大好きです。

この流れを作っておきながら、今回のLOGANでは、ほとんどのミュータントが死滅し、チャールズが認知症になり、ローガンがボロボロになったところから始まります。前回の幸せな予感を持っているだけに、本作は胸が苦しくなります。

このあたりで、スコアはこうしました。
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