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LOGAN ローガンのIのネタバレレビュー・内容・結末

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

重くて乾いた映画だけど、すごいよかったな。
X-MENシリーズは昔みたかな~くらいでうろ覚えなんだけど、過去に活躍していた主人公たちが老いてみじめな暮らしをしていることに、感傷をさそわれる。物悲しくもあり、一方で、映画のヒーローたちもやはり"人"なのだ、という不思議な安堵感もあって、ただ悲壮なだけでないところがいい。

逃げる先はコミックで登場した場所で、虚構に過ぎなかったはずが、ミュータントの子供たちが虚構を現実にしていた、というのも非常にこう…
ローガンは「コミックは嘘っぱちだ。現実は違う」と言って、自分がやってきたことにも価値を見出せなくなっていたようだけど、彼らの活躍が子供たちに夢を見せて、生き残る力を与えたってことなんだろうね。
なんかもう…せつない。

ローラとローガンの関係も、ローガンとチャールズの関係も、もう…もう…
愛する者を土に埋める、その重さよ…

ローラの表情や所作や話し方もすっごいよかった。
凶悪な力を持つミュータント、大人を殺せる少女、野生動物のように用心深く強暴…そんなキャラクターの理想とも言うべき目つき、表情、動作。特に声と話し方がよかった…あの早口で喋り出すところ最高…

物語と人生が終わっていく作品だから、見ていると「人生って、つらいし悲しいし理不尽だしつらい」という気持ちになるけど…とくに農場の家族が殺されていくところとか。あの家族に起きたことは本当に理不尽だけど、本当にそれが人生なのよね。あのお父さんはローガンに向けて引き金を引く権利があった、でも弾は出なかった。それが人生だし、この世の中ってもんなんだろう。ローガンはあそこでは生きなきゃならなったし、あの場所まで逃げなきゃならなかったし、あの時に死ななきゃならなかったわけですよ。本当、見ていると「人生って、つらいし悲しいし理不尽だしつらい」という気持ちになるけど…でも、なにかの終わりからなにかが始まるってことも教えてくれる作品だ。
ローラ………尊い………
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