私の人生ベストワン映画である西部劇『3時10分、決断のとき』と『LOGAN/ローガン』はそっくりだ。
勿論、どちらもジェームズ・マンゴールド監督だからそりゃそうなのだけど。
劇中で大事な要素として出てくる『シェーン』は恥ずかしながら観たことがないので分からないけど、私の知ってる限りだとどちらも『許されざる者』の影響が強く出ている。
“暴力”と“神話、あるいは伝説”のアンチテーゼ。
それはやはり監督にとって西部劇のような荒涼とした世界観なのだろう。
いかなる目的であろうとも、少なくとも振るった側にとって暴力は暴力であって。
その行為をヒーローとして祭り上げる伝説=漫画をローガンは嫌悪する。
『3時10分、決断のとき』では“伝説”に憧れる主人公の息子が暴力に直面し、【これから】を選びとるという物語だった。
しかし、今作の子供 ローラは既に暴力に手を染めている。
最初からバッドエンドしかない【継承】
それでも…それでも!
ローガンは言う。
「奴等の思い通りに生きるな」
そして
「こんな感じなのか」
と呟き、幸福な気持ちで去る。
ローラもきっといずれ自分と闘う日が来るだろう。
『3時10分〜』のベンのように。
今作のローガンのように。
その日のための今作だったと思いたい。
彼女も、せめて最期の夜は幸せな眠りにつく事を願う。