ねんどおにいさん

バイバイマンのねんどおにいさんのレビュー・感想・評価

バイバイマン(2016年製作の映画)
3.5
名前を言っても考えてもいけないあの人




日本には「紫鏡」なんて言われる都市伝説があります。
知らない人の為に説明すると、20歳になるまでに「紫の鏡」と言う言葉を覚えていると不幸になったり死んだりしますよ~というなんとも恐ろしい内容。

20までって年齢制限からして明らかに子供向けの都市伝説なんだけど、その名前を覚えているだけで死ぬとか、「紫の鏡」なんて全く意味が分からないのが逆に不気味でなんかどことなく引っかかるその単語、忘れようとすると忘れられない人間の本質を上手く突いた見事な都市伝説に、子供の我々は当時ものすごーいブルっていたワケです。


説明が長くなりましたが「バイバイマン」はまさにアメリカ版「紫鏡」といった感じ。

過去に少年が発狂し、家族を皆殺しにした謎の事件。
それを追っていたジャーナリストもまた発狂し家族を殺し自らも自殺してしまう。

その数十年後、大学生の主人公ら一行は安い屋敷に住むことになるが、そこの古テーブルに刻まれた「バイバイマン」の文字を目にした日から謎の現象に巻き込まれる事になる…と言った感じのホラー映画。


細かな違いはあれど紫鏡と類似した設定で、「名前を言ってはいけない、考えてもいけない」その「バイバイマン」の幻覚に惑わされ、恐怖体験をする事によってイヤでもその名前を考えずにはいられなくなる…設定はなかなかに面白いモノがあります。


肝心のバイバイマンのビジュアルが老けた「シェイプ・オブ・ウォーター」の半魚人みたいな感じなのはビミョーですが、皮の剥がれた血濡れのヌルヌル番犬を引き連れて登場するのがビジュアル的にめっちゃ格好いいです。(なのに大体ソロで出てくる。勿体ない…)


実際ホラー映画として見ると怖さはイマイチ。
怖さポイントはジャンプスケアにしかなく、巧い設定も大して活かすことなく終わってしまう感じ。
オチも予想通りでなんとも言えぬ。


発狂するジャーナリスト役にソウシリーズでお馴染みのリー・ワネル、チョロっとだけ出て話には全然関わらない女刑事役にマトリックスのキャリー・アン・モス(すげぇ似合う)などなどキャスト陣は意外と豪華です。

更にバイバイマンを演じるのはヘル・ボーイでエイブサピエン(半魚人)を演じたと思ったら、シェイプ・オブ・ウォーターでも半魚人を演じさせられた、ギレルモ・デル・トロ半魚人大賞、世界で一番半魚人役が似合う男、ダグ・ジョーンズ。


純粋な怖さとしてはビミョーですし結局バイバイマンって何者なの?列車、コイン、番犬のイメージは何?という一番の謎は完全に放置されていますので、ストーリーや脚本の上手さを求めるいわゆる「普通の人」にはウケませんが、ホラー映画をあらゆる要素の加点法で見る変わり者、わかばとかゴールデンバットみたいな安たばこは偶に美味しいのが混じってる所が好き、みたいな変態にはオススメ出来るかなぁと言ったところです。