TakaCine

藍色夏恋のTakaCineのレビュー・感想・評価

藍色夏恋(2002年製作の映画)
4.5
【はがゆい恋模様】
今も人気がある台湾青春映画の傑作。瑞々しくて不器用で切ない。

フォロワーさんのレビューを読んでから、ずっと観たかった作品。繊細な感性が日本人とよく似ています😊観て好きな作品になりました♪

青春映画らしい設定「プール、体育館、自転車、手紙、壁の落書き、海辺のデート、キス」などを通して、高校生たちが異性の存在を意識するようになり、友情、恋愛、葛藤の狭間で揺れ動きます。

その繊細な心模様を、気恥ずかしいくらいの直球描写と当時本物の高校生たち(スカウトで発掘)が演じる初々しさが相まって、忘れ得ぬ"ひと夏の青春"になりました😊✨✨

懐かしい「タッチ」(原作:あだち充)の男女三角関係や青春まっしぐら感、大好きな『恋恋風塵』(監督:侯孝賢)の初々しい恋愛未満の淡い感情、カルピスCMのようなトキメキ感…DEENやTUBEの歌に流れる甘酸っぱさ(年がバレる)…誰もが胸キュンする青春ドラマ要素は、狙っているのが見え見えですが共感しまくりです(そんな経験ないけど😌)。ってか、青春の輝きが眩しすぎる✨✨

おじさんに返してください!
その輝き😍✨✨(はい、無理で~すw)

〈等身大の若者たち〉
時代も国も違うけど、まるで一昔前の日本の高校生たちのように思えて、懐かしさと親しみがありました。そしてピュアですねぇ~😊

「さそり座、O型、水泳部とギタークラブ所属」

それがキメ台詞のチャン・シーハオ(チェン・ボーリン)。だから何っ??って女の子に言われそうだけど😌💦ちなみに「さそり座、O型」は監督の星座と血液型だそうです(笑)見た目は金城武をやんちゃにした感じで、ちょっと格好つけてる男の子だけど(確かに格好いいから、鼻につく)、実は純ないい奴なんだよね。しょうもなく格好つけてる時より、自信なさげでウブで真っ直ぐな方が遥かに良いよ!(そこ見習おう…えっ、今さら?)

そんな男の子に恋をするリン・ユエチェン(リャン・シューホイ)。アイドルっぽい顔付きの女の子(誰に似てるんでしょ?)で、チャンのことを凄く好きなのに遠くで見つめているだけの臆病ぶり。驚きはそのコレクターぶり😓(ヤバすぎて笑え…ない)好きで好きで堪らない感じが、とても可愛らしい。このいじらしさに、一瞬好きになりそうでした。告白しちゃえばいいのに…

リンは自分で告白が出来ないもんだから、親友のモン・クーロウ(グイ・ルンメイ)に恋の仲介役を頼みます。しかし、会っているうちにチャンはモンに惹かれ始めて…

モンは、葉月里緒奈(例えが古くてすんません)に似た一見クールな女の子。なぜ、クールなのかは追い追い分かりますが、本作の実質的な主役です。笑うと本当は可愛いのに、親友の好きなチャンに言い寄られて、更に誰にも言えない"秘密"を抱えて、常に浮かない不機嫌な顔をしています。

清楚で透明感がある素敵な笑顔なのに…

ラストのモンの笑顔は、とびっきり素敵でした😊‼️

"秘密"には驚きましたが(当時の観客は尚更でしょう)、観ていて「うまくいかないなあ~」と凄くはがゆい切ない気持ちになりました。単なる三角関係に苦しむ青春映画に、ある種の切なさを持ち込んだのは新鮮です。

彼らが体現してくれた青春は、繊細で傷付きやすくて切なすぎて…ピアノの伴奏が心の柔らかいところに沁みるよ~

〈ドキッとした台詞〉
「私とキスしたくない?」

青春のスケッチのような印象的なシーンがいっぱいあって、何回でも観たくなります(たぶんDVD買う)。

夜中のプールサイド
体育館の喧嘩
壁に書きなぐる落書き
疾走する自転車と緑の街路樹と溢れる笑顔
風に揺れるシャツ

どれも青春の輝き✨✨
思春期のいろんな感情を思い出すなあ♪

自転車はGiant、靴はK-Swissかな。
さて「魚」のシャツはどこで買ったんだろう?
TakaCine

TakaCine