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サバービコン 仮面を被った街のdeenityのレビュー・感想・評価

3.0
ジョージ・クルーニー監督作。主演もマット・デーモンにジュリアン・ムーアと豪華です。脚本もコーエン兄弟みたいですし、どんなもんかな、程度な感じで見に行ったわけですが、「まあこんなもんか」程度に終わったのが正直な感想。

冒頭いきなりサバービコンという街の平和を守るためという口実で、黒人に対して排他的な姿勢を示すくだりで、「なるほど。本作は黒人差別を風刺した作品か」と思ったわけですが、話の本筋はガードナー一家の保険金目当てのサスペンス的展開が主のようで、「なるほど。そこと差別要素の二本軸で交錯して描き、最後にまとめてくるパターンだな」と予想したわけです。
ところが、まさかまさかのこの二本軸が最後に至っても絡み合わないパターンか。そいつは予想してなかったよ。
黒人一家に対する抗議が最初は促すような歌の斉唱だったのが、暴言に変わり、暴動に発展する。
何となくメインの展開とのテンポと合ってるような気もして期待してたのですが、どうやらそうでもなかったのか、または表現しきれなかった様子。

ラストシーンを見るとやはり何か表現したかったのでしょうが、結局読み取れず。平和の象徴だった白人が最後にはガラッと印象を変え、その後始末を黒人がしている辺りとかはメッセージがあるような気もしたり、途中黒人一家が「怖い気持ちも見せるな」という言葉は深かったり、いろいろ意図があるような気はするのでそれを読み取れなかったのは残念としか言いようがないですね。

まあ本筋の方の展開はわりと面白かったため、楽しめなかったわけではないですが、飛び抜けた要素は特にない作品でした。
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