マヒロ

サバービコン 仮面を被った街のマヒロのレビュー・感想・評価

1.5
一見平和な町サバービコンに引っ越してきた黒人の家族だったが、町の住民たちは見るからによそよそしい態度をとり、一家を差別し始める。一方で、町に住む普通の白人一家の家に突然強盗が押し入り…というお話。

監督はジョージ・クルーニーだけど、金のために慣れない犯罪に手を出したらドツボにはまって地獄を見るというプロットはまんま脚本のコーエン兄弟臭。
そこに近年取り沙汰されがちな差別問題を絡めることで、どうやって物語が展開していくのか…と思っていたら、その二つが全く交差せずにそのまま物語が終了してしまったのでひっくり返りそうになった。厳密にいうと最後の最後で僅かに接触するんだけど、取ってつけたようなものでしかなく、同じ町で起こっているというだけの全く別の出来事をただただ見せられただけになってしまった。家の周りに柵(=壁)を作るというのもメタファーとしてはちょっと直接的すぎるのではないかと思った。

マット・デイモン側のエピソードにしても、サスペンス的には蓋を開けてみたら全く大したことない話だった…というのはまぁいいとして、その大したことない話をどうイジワルに転がしていくのかが肝なはずなのに、そこもいまいち精彩を欠く。オスカー・アイザック演じる保険屋が出てきてからはグッと面白くなりそうと思ったら、すぐに退場してしまうのでやっぱり盛り上がらない。もっととんでもない展開やキャラクターが出てきても良いのに、真面目にやり過ぎてしまった感。

総じて、コーエン兄弟風だがアクのない薄めなブラック(というほど黒くないが)コメディと、それに全く絡まないでただいじめられるだけの黒人一家の可哀想な様を映しただけの、ほとんど無味無臭といった感じの映画だった。

(2018.41)[14]