いずみたつや

サバービコン 仮面を被った街のいずみたつやのレビュー・感想・評価

-
バカな登場人物がとったマヌケな行動が最悪な事態を引き起こす、といういつものコーエン兄弟テイストの作品ですが、社会的なメッセージがより露骨に出ているのはジョージ・クルーニーの色が出たあたりではないでしょうか。

1950年代の白人中産階級たちの"古き良きアメリカ"を再現しつつ、誇張して見せたビジュアルも面白いです。

画面の奥の方までずらーっと似通った家が並んでいる異世界的な光景は、最近観た『ダウンサイズ』に出てきた都市を思い出させました。『ダウンサイズ』もまた、現代社会を痛烈に皮肉った異色作で面白かったです!

そして、そんな古き良きアメリカ像のすぐ隣には、暴力的で排他的なアメリカのもう一つの姿が存在しています。

この映画でジョージ・クルーニーは「昔はよかった」と思っている(思いたい)白人至上主義の人たちに対して、ハッキリと「いや、昔も最低だから!」と言ってのけます。

「アメリカは偉大だった」という幻想を武器に、欺瞞だらけのアメリカン・ドリームを取り戻そうとする社会に対する嘲笑と怒りの映画でした。