RyoChan

ハクソー・リッジのRyoChanのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
5.0
彼はひたすら助ける
もう1人…もう1人…
👩🏼‍⚕️🤕⛑💣🇺🇸🇯🇵

クソ野郎監督だけど
映画は超一級品!!

主人公の信念と地獄の戦場
足の震えが止まらないよ!


恥ずかしながら戦争映画を劇場で観るのはこれが初めてです。それまでの作品は全て後追いで、DVDやNetflixなんかのTVサイズでしか観ていなかったので、戦争映画の迫力や音響を劇場で体感する経験が今までありませんでした…

メルギブだから絶対面白いと思ってたけど
戦争映画、しかも相当ハードなアクションがある、正直初めてだらけで興奮と不安で死にそうでしたよ…笑

で、鑑賞後…

たぶん僕は100回くらい死んでました…
疲労感と燃え尽きた喪失感

とんでもない体験をしてしまった…
:(;゙゚'ω゚'):ヤバイ....!!!


【前半のドラマ】
主人公の運動神経の良さ
信仰心を持つまでの描写
兵役を決意するまで
しつこくない恋愛要素
各キャラの立て方
信念を曲げない理由

この物語を描く上で大事なあらゆる要素が非常にスムーズに上手くまとめられています

特にここで僕が1番面白いと思ったのは
主人公がちょっと、いや、かなり狂人として見えたことです

信念を曲げない純粋さが
もはや狂気にすら感じる

だが、その狂気を内包し
信念を貫き通したからこそ
後半の救出劇があるのだと思います!


【後半の地獄絵図】
前半のゆっくりとしたドラマパートからは打って変わって後半の前田高地での戦闘

人の命が軽々と飛んでいく
耳のすぐ横を通る銃弾の音
肉片が飛び散っても生きている
どこから来るかわからない日本兵の恐怖

戦地から帰還した兵士達のあの戦意を完全に失った顔…あの顔だけで、これから行くハクソーリッジがどれだけ悲惨な場所なのか、相手の日本兵がどれだけ恐ろしいか、説明台詞じゃなく顔で表現していて見事です!

前半で爆笑してしまった筋肉ムキムキのハリウッドも、戦場に出たら腰が抜けたように怖がっていたり、いじめてた仲間が主人公を助けたり、前半で描かれたドラマがあるからそこ、後半のアクションにもしっかり意味とストーリーが加わっています!

血みどろの地獄絵図と化した前田高地での戦闘シーンはもう凄まじすぎて…何回も体がビクッってなりました笑
それにずっっっと足の震えが止まらないし
開いた口が塞がらないし

超グロくてエグい描写が満載で目を背けたくなりますが、それも含めて沖縄戦が、そして戦争がどれだけのものだったのか…そこを観客に突きつけるためにも、この描写は必要不可欠!
((((;゚Д゚)))))))ガクブル...

めちゃくちゃな大戦闘シーンなんですが
ゴチャゴチャして何が何だか理解不能にはなっていないのが凄いと思いました
(トランスフォーマーみたいな)

アメリカ兵は左側あるいは画面の手前
日本兵は右側あるいは画面の奧

この構図が基本として設定されているため
観ている最中どっちがどっちで今何が起きてるのかなど、鑑賞中混乱しない配慮がされていたと思います
(=゚ω゚))ワカル..ワカル..!!


不謹慎かもしれませんが
でもこれは映画として大事な部分で
死に方と戦い方のバリエーションが豊富!

ただ銃に撃たれて死ぬだけでは、ここまでの迫力と緊張感を持続させることは出来なかったでしょうし、観客側にも多少の飽きがきてしまいます
だからそこは流石のメルギブソン!
手榴弾による両者爆死だったり
火炎タンクを撃たれての爆発だったり
取っ組み合いの白兵戦だったり
とにかくありとあらゆる戦闘が行われているので、観客側は決して退屈することなく、圧倒的なまでの地獄絵図を体感することができるのだと感じました!
ᕦ(ò_óˇ)ᕤオミゴトォォォ!!!!


【ハクソー・リッジ】
メルギブソンのインタビューや、
当時の前田高地での戦闘などを調べると
彼がどれだリサーチをして、真剣にこの映画を製作したかが伝わってきます

今も起きている戦争という中で
1人の男が貫いた信念

『沈黙』とも通じる信仰という面は、我々日本人には遠い考えだと思いがちです
僕もちょっと前までは全く無知でした
それでも、映画を通して知らなかった事実や、自分とは遠い文化や価値観を学ぶことができる

個人的昨年度ベストの『この世界の片隅に』が戦場ではなく、日常を描くことで、逆に戦争の不条理さを感じさせたのに対し
『ハクソー・リッジ』では真正面から戦場を描き、観客に逃げ場を与えずひたすらに不条理さを突きつけてくる

劇場は僕と同じくらいの若い観客が多かったです
アクションが凄かった
まともに見れなかった
前半が退屈だった
死ぬかと思った

色んな声が聞こえてきました

僕のような戦争を知らない世代にとって
戦争映画を観る意味と意義

一生忘れられない映画になりました!
是非劇場の大スクリーンで観てください!
RyoChan

RyoChan