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ハクソー・リッジのne22coのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.4
2017年 劇場観賞49作品目

予想をはるかに超える良い意味でトラウマになる作品でした。

日本の沖縄を舞台に、アメリカ人と日本人が対面でまさしく命を奪い合った歴史がスクリーン上にまざまざと映し出され、何度も目を覆ってしまった。。。これは【戦争】という現在も続く世界的な負のルーティーンに対する警笛としてたくさんの人に見てもらいたい作品だと思った。

これだけ良い作品だからこそ一部での宣伝のしかたがちょっと残念。。。。。彼は「世界一の臆病者の男」では無く「臆病者と呼ばれた男」であって、そこは絶対的に違う気がした。
さらに日本戦という部分をほぼ隠した宣伝は、時期的な事もあって沖縄の人々やいろんな価値観に対して配慮した部分はあるかもしれないけれど、時期的なものもあるからこそ人々の関心は高まるだろうし、作品を見たらこれが反日を訴えている作品でない(かなり中立的な目線で描こうとされてる)事は分かると(私は)思うんだけどな。。。

アメリカ兵も、日本兵もそれぞれの個々の信念(もしくは国の信念)に従って、命を落としていった、そして大人から子供まであまりにたくさんの人が無差別に命を奪われ(ている)という歴史の悲惨な間違えをほぼフラットな目線で切り取って描いているな。と思った。

前半は後半に向けての伏線なども含めつつ、ヒューマンドラマが描かれ、この部分でのキャラクターの描き分けがさらっとしているのにとても印象的で後半での人間の識別がかなりしやすくなったので見事だなと思った。
沖縄上陸後はかなりショッキングな映像が続きます。メル・ギブソンはやりきってる!!だからこそトラウマ級。普段は映画作品は絶対にスクリーンで観る事をオススメしますが、(もちろんこの作品もスクリーンで観るからこその要素はたくさんあるけど)グロがだめな方や若者たちにはDVDでもいいから是非記憶の一部に取り込んでもらいたいなと思う。余談ですが、私は『野火』を最後までスクリーンで観る事が出来ず、家でかなり離れて観ましたが、それでも未だにややトラウマです。でも作品を最後まで観て本当に良かったと思っています。

さらに余談ですが、アンドリュー・ガーフィールドはなんであんなにくしゃっと笑うのでしょうか。。。それこそトラウマ級の破壊力なんです。(賞賛)
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