よーすけカサブランカス

ハクソー・リッジのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.2
まさかメルギブソン監督作に泣かされるとは思わなかった。それに主演も同じでこれほどまでに「沈黙」とテーマが似通ってしまうとは。ただこの作品の場合主人公は敬虔ではあるが、最終的に戦場で聞こえない神の声に絶望するのではなく目の前で助けを求める声に応えるという形で自分の信義を全うするという意味でポジティブで強い。
ただ訓練兵を辞めさせるために暴力に曝される姿はメルギブソン監督作のマゾヒズムそのものだし「沈黙」そのものだった。
ハクソーリッジでの銃撃戦の迫力は言わずもがな。ヘルメットに銃弾が当たるところなんか最高だったし、合流した兵士の目の死にきった表情などほんとに怖かった。
志願するまでの場面にしても父親役の演技がとてもよかった。志願した兄に対して唇を震わせながら軍服を褒めたあと、死んだ戦友の話をする場面は泣ける。