ろーぜす

ハクソー・リッジのろーぜすのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.8
わかりやすい戦争映画でした
前半が青春映画、デズモンドはなかなかのナンパ師ですね
私もあんな話術が欲しいです

中盤は戦争映画「ハンバーガー・ヒル」(この映画も凄まじく、ベトナム戦争の話で同じくアメリカ軍にとって難攻不落の丘で登ろうとすると北ベトナム軍に挽き肉にされてしまうと言われその名がついた壮絶な戦場の話、なかなかのグロです)

終盤は「プライベート・ライアン」の武器を持たない逆バージョンかなあ

父親の戦争から帰還後のPTSDに悩む姿
から戦争の悲惨を訴えてるとは思いますが
戦場で皆の命を助けたいというデズモンドという一人の男の人間ドラマのような感じがしました
戦争の悲惨さを訴えるにしてはちょっと弱いかな

昔から戦争映画は好きだからそう感じました

そしてもう1つこの映画がある意味宗教、信仰的映画の側面も持っているということを感じました

だから私はデズモンドの気持ちが最初は全く理解できませんでした
信念をそこまで持ち続けないといけないものなのか?時には信念を曲げることも必要ではないのか?と
たぶん人それぞれ考えが違うと思います

デズモンドは信念を曲げなかったから尊敬に値する事ができた
デズモンドにとっては信念、信仰が力だっただろうと思いました
その結果多くの命を救うことができた
それは私も素晴らしい、称賛したい気持ちです
でも集団でこれを行うにはやっぱり危険性が伴うと思うんですよ
まわりを巻き込むことになりますから
そこに宗教、信仰的な意味合いが入ります

メル・ギブソン監督、いい映画でしたが、実話にしても宗教心、信仰心が強すぎたのではないでしょうか
敢えてそうしたのかな
あの切腹シーンは全く逆の価値観ですよね
あれを観た時に確信犯的にそう思いました

とまあこの映画を観て色々考えましたが
「あともう一人」と自分に語りかける、彼の勇気を観て、彼に賛辞を送りたいです

個人を題材にしたから、ラストがちょっと荒かったかな
アメリカ万歳な映画ではないけど、この沖縄戦ではアメリカ兵、日本兵、そして民間人と多くの犠牲者を出しました
その事実を伝えてくれたらなと思いました
そしたら戦争の悲惨さをもっと伝えられた
そうしなかったのはやっぱりこれは人間ドラマなんだろうと感じてならないです
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