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ハクソー・リッジのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.5
メルギブ完全復活!前半これがメル・ギブソンの映画であるということを忘れてしまいそうになるほど我慢を覚えた彼は自身を時に投影しながら、映画の定石にも乗っ取っていて、これは現代(PTSD、敵国日本の描写)だからこそ作り得た、リアルな戦争の凄惨さを描いた快作!同時に人生そのものとも言えるほどの揺るぎない信仰、ほとんど執念そしてそれ自体が生き方、についての物語でもある。戦場に衛生兵として出兵することを認められるシーンは思っていたよりも劇的ではなかったが、父の痛切な訴えが見えたし、それ以外にも何度も泣き、スローモーションも効果的に使われた接近戦は大迫力。目の前で地獄が繰り広げられているようで、まさしく戦争の腸(はらわた)と言うに相応しい。人間は残酷にもなり得るが、同時にここまで勇敢にもなり得るのだとデズモンド・ドスの一貫した言動が証明している。
作品自体は時にスポ魂、時にホラー、時にスリラーと色を変えながらもガーフィールドが心体共にドスとなったような熱演で僕ら観客を「やもい結び」で然るべき所へと連れていってくれている、見捨てずに。。ガーフィールドは『沈黙』に続き、本当に素晴らしい役者で、身体的なことだけでなく、この両作品での信仰への向き合い方を考えると、長い期間大変だったのではないかと思う。凄いな~。
日本への敬意、というか理解にもリーチしようとしていて、『パールハーバー』を作ったマイケル・ベイに見てほしくなった。最後の当事者たちへの敬意溢れる作りは最近で言うと『パトリオット・デイ』にも通ずるものがあり、真のヒーローとはこのようにして生まれ、記憶されるのだと痛感した。
P.S.途中出てくるマジックカーペット?によるマジックライド作戦(命名)は画期的、去年のシンゴジの無人在来線爆弾くらい。
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勝手に関連作『プライベート・ライアン』『沈黙』『フルメタル・ジャケット』
TOMATOMETER87%、AUDIENCE92%
Hacksaw Ridge uses a real-life pacifist's legacy to lay the groundwork for a gripping wartime tribute to faith, valor, and the courage of remaining true to one's convictions.
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