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ハクソー・リッジの小のレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.2
鑑賞後、ググって、いろいろ考えていくうちに、某ネコ型ロボットアニメの話みたいという妄想にとりつかれてしまった。そのアニメの映画タイトルを拝借すれば、本作は『デズと弓ノコ兵団』(本家は『のび太と鉄人兵団』)って感じじゃないですか?

そんな妄想をとりつかせてくれたのが、とあるブログ。沖縄戦を描いていることから日本人の受け止め方が気になって、その類いのワードでググったらヒットした。本作について、とても詳しく解説されていて、参考になるし、面白い。
(http://izu-biz.com/2017/03/14/post-2698/)
(http://izu-biz.com/2017/04/06/post-2743/)

日付が後の方のリンク先にある、キリスト教信者向けの雑誌『クリスチャニティ・トゥディ』による『ハクソー・リッジ』のレビューの一部を引用。

<『ハクソー・リッジ』のメッセージは、政治的と言うよりは人間的なものだ。そのメッセージは、やせっぽちの平和主義者とG.I.ジョーが互いに容認しあうだけでなく良い友達になれるような世界について、深く考えさせるものだ。>

ええ、考えましたとも、深くかどうかは別にして。<やせっぽちの平和主義者>とは我らがのび太君。G.I.ジョーはジャイアン。そもそもG.I.とは「ジャイアン、オレ」の略、つまり「オレはジャイアン」じゃないですか(ウソです、念のため)。

のび太君(デズモンド)が学校(軍隊)の仲間であるジャイアン(G.I.ジョー)に「のび太のくせに生意気な」と、虐められる。しかし、持ち前の優しさ(信仰心)とドラえもんの秘密道具の力(衛生兵としての技能)によって活躍し、「おお、心の友よ」とジャイアンと親友になり、いつしか弓ノコ(ハクソー)兵団との戦いを引っ張る存在へと変わっていくみたいな。

ちなみに、デズ君の彼女はふにゃふにゃしているデズ君にもったいないくらいの美人で、まさにしずかちゃん。

で、のび太君のような自分が、ジャイアンのようなツワモノと良い友達になるにはどうすればよいのか。皆の役に立つなど、ジャイアンを感動させるくらい頑張りなさいよ、と(ハードル高すぎじゃね)。それには信仰がとても強い力になるよ、と(神様信じたくらいじゃ無理じゃね)。

ちなみに先の雑誌にメル・ギブソン監督のインタビューが載っていて、監督による本作のテーマは次のようらしい。

<自分の信念を維持しながら、どうやったら自分を取り巻く物事と共存できるのか、その最善の方法を探ることがもっとも重要なのです。>

「最善の方法を探ること」=「神との対話」みたいな感じなのかな。監督自身、熱心なカトリック教徒らしいし…。

ところで先のブログの方は、日付が前の方のリンク先で<2016年11月の『ハクソー・リッジ』全米公開後は、一時的にせよ、一部の日本人映画評論家によって戦場の残酷な描写ばかりが話題になってしまったのは残念でした>と仰っておられる。

日本公開前に紹介する映画評論家ってあの方ですかね、と思いググると、やっぱりそうなのだろうという気がする。
(http://miyearnzzlabo.com/archives/40790)

いや、この解説も面白い。戦場でのとても残酷なシーンもメル・ギブソンならでは。<まあ、変態の人なんですよ。メル・ギブソンっていう人は(笑)>と。

変態かつ敬虔なクリスチャン、狂気と正気が同居しているかのようなメル・ギブソン。そんな人の映画が面白くないわけないじゃないですか。自分的要チェック監督に決定。

●物語(50%×4.0):2.00
・ナカナカ面白い。自分にとってはリアルのび太君の物語だった。

●キャスト、演出(30%×4.0):1.20
・アンドリュー・ガーフィールドのふにゃふにゃっぷりがグッド。どっかで観たことあるなあと思っていたマトリックスのエージェント、ヒューゴ・ウィービングのアル中のお父さん役最高でした。お父さん活躍で感動直後のラブラブシーンって、いる?

●映像、音、音楽(20%×5.0):1.00
・戦場のシーンは圧巻。死んだかと思った。鑑賞後は疲労困ぱい。
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