おーもり

ハクソー・リッジのおーもりのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.6
戦争映画なのですごく重い感想があふれてるけど、前半かなり笑える要素あったしそこにもっと焦点あてたいなと思ったり。
確かにそこからの落差で、熾烈を極めた前線シーンの衝撃があるのだろうけどね。

主人公の英雄的行動ももちろん印象深いんだけど、お父さんもとてつもなく良い役目を果たしてて印象深い。
前の戦争ゆえに酒浸りとなり、息子達が志願していくのに一番心痛めている。それなのにデズモンドの裁判には駆けつけ直訴する。ヒューゴ・ウィーヴィングさんの表情、演技ピカイチだったのでは。

デズモンドの実直不器用具合の描写ヤバかったね。
アメスパの時もそうだったけど、引き笑い的なエヘヘ感は超イケメンなのに一歩間違えれば気持ち悪いまで行きそうな微妙ラインをギリギリ狙ってきてる気がする。
怪我人を放ったらかしで一目惚れ看護師に夢中になったり、キスしたいと思った!とか非モテ君のラブコメ的な笑えるシーン。
訓練所での鬼教官可愛がりもやら全裸整列やらギャグでしょってシーンすげー多かったと思うなぁ。
それブラ?ブラじゃ無いんだよー!的なギャグアニメが脳裏に浮かぶくらい気を抜いて見てた。

軍の連中の態度は、最大限デズモンドの宗教観を尊重してあげようとしてたなぁと感じた。
デズモンドの主張の矛盾については、最初ずっと違和感あった。見てるうちにだんだん矛盾している事は一番彼自身が分かってるのでは無いかなと府に落ちつかせたけど。
その上で引き下がらぬ決意はこれまた親父とのアレコレだったと分かる。もはや宗教とは別の脅迫感に取り憑かれた男なんだろうな。

訓練生時代はいがみ合ってた同期達。究極状態の戦場で絆を深めたり、あっけなく散っていったり。
無事生還しても再び前線に行く者、残る者。それは日本兵も同じで色んなドラマがあるのだろう。
描かれたのは沖縄のハクソーリッジだけど、戦争はこんな想像もつかない状況が各地で展開されてたと思うととてつもない恐怖。映画を通して少しでもその凄惨さを見て感じれた気がする。