りた

ハクソー・リッジのりたのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.5
とてつもなく素晴らしい映画だった。
(なのに5じゃないのは置いといて笑)

構成も素晴らしく、長編映画ではあるものの中だるみせずに観れた。戦闘シーンに入る切り替えと惹き込ませ方がすごい。ラストの映像もグッとくる。待ってました!的な。

カメラアングルもとてもよかった。。特に1度目にハクソーから降りてきた時の仲間から囲まれるシーンで主人公視点に切り替わるところは感情移入のしやすさを増させた。充分入り込めていた中で、更に、という感じ。いやーすごい。
純粋な"めでたしめでたし"じゃなく、「いや、また行くの?行っちゃうの?でもそうか、戦争ってそうか。」と思わせる流れ。実話を元にしてるだけある。。

この作品はただ単に戦争を描いてるだけではない、たくさんの要素があった。
いつどんな時代も、大多数の「普通」や「当たり前」な思想と異なる者は後ろ指を指され、馬鹿にされ、異端児扱いされる。
それでも自分の信念を貫けるか、その信念が一体何なのか。無宗教が多いと言われる日本人が苦手とする宗教思想、その強さ。。

主人公だけでなく全員に物語はあると思う。どの立場で誰を見るかで物事が変わってくるように、誰が英雄かなんて言えないけれど、でも、やはり彼は英雄だと思った。
日本人なのに映画を観ながら彼らを応援してしまったように、立場視点を変えると世界は一転する。そんなことも改めて考えさせられた。

日本人の描き方も個人的には嫌いじゃなかった。日本人の立場から観ても素晴らしい映画と思えたのは、私が戦争を知らない世代だからだろうか。。。
りた

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