まっどまっくすこーじ

ハクソー・リッジのまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.8
とてもレビューが遅くなってしまったけど書いておきたくて…


私は高1のときに「マッドマックス」が公開されて以来、メル・ギブソンをカッコいい兄貴として憧れている。

そのメル兄が自分で監督して映画を撮ると、これがまた普段のイメージとは違う重厚な作品になる。

そんなメル兄が久し振りに監督する本作には期待のハードルをそれこそ「ハクソー・リッジ」並に高く上げざるを得なかったのだが、メル兄はまるでそんな私の頭を軽く引っ叩いて諭すようにスクリーンで応えてくれたのである…


前置きが長くなりました。

実は本作をレビューするのに下書きをしても、全然思ったことを伝えられる言葉が見つからず、もうレビューは止めようと思ったりしましたが、やはりこれだけは言いたいので書いておきます。


それは…

「これは観なきゃいけない映画!!!」

ということ。


本作はいわゆる戦争映画というジャンルに括られていると思いますが、単に戦争におけるドラマやエピソードを映画にしたわけではないと感じました。

勿論ドラマもしっかり作られています。
ストーリーは実話ベースですし…

デズモンド・ドスという太平洋戦争
で衛生兵になった方のお話です。

本作はこのデズモンドを通して、人間の持つ「信念」という力の凄まじさを訴えてくる作品です。

細かいストーリーは書きませんが、是非ご覧になって頂きたい映画。


主演のアンドリュー・ガーフィールドは偶然なんでしょうけれども、今年はじめに公開された「沈黙」でも敬虔なクリスチャンという役どころで、更に日本が舞台ということも共通していて、とても印象に残る役者になってまいりました。

「アメイジング・スパイダーマン」の頃には想像もつかなかったほど、素晴らしい演技力を持つアクターになっていて、正にアメイジング!!!

脇を固めるキャストにも不満がなく、ドラマの観せ方も秀逸。
特にデズモンドの父親を演じるヒューゴ・ウィーヴィングの演技とオーラには舌を巻きました。

そして前から評判になっていた戦闘シーンでは略略CGを使わないリアルな描写が圧巻の説得力を持っていました。

これは観る方によってはリアル過ぎて目を逸らしてしまうかも知れません。
しかし、極点における人間の「信念」というものを見せるためには必要な演出であり、また戦争という人間の愚の骨頂である悲劇を伝えるためにも必要なのだと思っています。

メル兄は自らが超伝統主義カトリック教徒のため、宗教色の強い作品を撮っているイメージがありますが、それを抜きにしても「信念を手放さない不屈の男」を撮らせたら超一流だと思います。

私はクリスチャンではありませんが、宗教的なものを外したとしても、「信念」というものを訴えてくる点において、本作は傑作と言い切らさせて頂きます。

何回も言ってしまいますが、本作は是非ともご覧になって頂きたい映画です。


レビューはここまでですが…

なんか公開前から反日だとかなんとか、全くズレたことをゴニョゴニョ言っている輩がいるようですが、どこに目をつけているんだか…

確かに内地で実際に銃撃戦を行った沖縄の方々に対する配慮のために、映画の公開前の宣伝ではハクソー・リッジ=前田高地というのはしてこなかったと思う。
同じく、配慮のために公開は沖縄「慰霊の日」である6月23日を過ぎた24日からだったが、これらは決して作品が反日だから隠していたとかということではない。

前田高地のある浦添市では本作の製作に協力しているし、本作の公開に合わせて映画や前田高地を紹介するHPもアップしているのである。

悲劇を繰り返さないためにも歴史を正しく知るということは重要である。
それを何かっていうとすぐにチャチャを入れる輩は目障りである。

今回はちょっとギスギスした文章になってしまい、読んで頂いた方々にお詫び致します。