六

ハクソー・リッジの六のレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.0
沈黙で宣教師を演じたアンドリュー・ガーフィールドが、今度は沖縄戦に参加したキリスト教徒を演じるなんて、観に行かないわけにはいかない!と朝イチで鑑賞。
衝撃的なシーンの連続で、その日はずっとグロッキーになる程でした。
でも、観てよかった。とも思います。
何か学びがあったとか、感動した、というわけではありません。
ただ、何か言葉にできない気持ちが湧きました。

前半はヒューマンドラマ感があるのですが、だからこそ、突然訪れる死の描写に呆然とした。
呼吸の音が相手に聞こえるんじゃないかという静寂の中、きっかけはほんとに些細なことで、そこから銃声が轟いて、仲間や敵があっという間に死んでいく。
その緊張感が恐ろしかった。

あと、日本人の描写がこわい。まさに鬼神の如く。
沖縄という地で戦う事が、日本人にとってどのような意味を持つのか、どれほど覚悟をもって戦ったのか、観ていて苦しい。

アンドリュー・ガーフィールドは、芯のある人物を演じるのがうまいと思います。
デスモンドは底抜けに優しいだけじゃなくて、とても強い人物です。
暴力にも圧力にも負けず、ただひたすら自分の信念を貫き通すその姿は本当にかっこいい。
あの真っ直ぐな瞳で見つめられ、「大丈夫、僕を信じて」なんて言われたら、安心して身を委ねてしまいます。
六