確かに英雄譚。常人には真似できない。
でもさ、他の兵士たちだって本当は人殺しなんてしたくないはずだよね。それでも祖国や愛する人の為に銃を手にとって戦っている。人を殺めた感触に生涯苛まれつづけた人も多くいる。その中で自分だけ手を汚したくない、なんて頑なに主張するのは信念って言うのかな。仲間が手を汚すアシストはするのにさ。
結果的に偉業を為し遂げたから英雄だし、尊敬すべき人物だとも思うけど、その主義には最後まで共感できなかった。だから心を動かされるはずのシーンもなんだかモヤモヤ。こういう「殺さずの誓い」タイプの主人公ってどうも好きになれない。
ま、ともあれ戦争映画としてハイレベルなのは確か。ただ、個性と反戦精神がなにより尊ばれてる現代だからこそ評価される作品だとも思う。日本人として素直に呑み込めない部分も多々ある。