「驚きの実話でも面白さは別。」
俳優メル・ギブソン10年振りの監督作品。第2次世界大戦の沖縄戦を描く戦争映画。神を信じ人を殺めることを頑なに拒みながらも、戦場では75人もの兵士を助けた一人の青年の話。前情報をあまり入れないで視聴したので、エンドロールで本人映像が流れて実話と知った時、本気で驚いたよ。
しかし実話だということを加味しても、映画的にはあまりハマれなかったなあというのが正直な気持ち。というのもガンコ一徹な主人公のウザさが流石に目に付く。銃を触るのを拒むくせに除隊は絶対にしない様を信念を貫いていると捉えるか自己満足なだけと捉えるかで前半の面白さが変わる。自分は残念ながら後者の気持ちで見てしまったのでダメだった。
結果的には多くの負傷兵を救ったので除隊しないで良かったんだが、それは結果論であってあの訓練段階では上司に感情移入してしまうなあ。
後半の戦争部分の痛々しさ全開なリアル感は凄い。当たり前だが人がバッタバッタ死んでゆく。肉片が飛び散り、四肢欠損など容赦なく描写するエグさは良い。
