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ハクソー・リッジのOhuのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.0
祖父が衛生兵だったので、以前から気になっていた一本。祖父は本作のドムの様に殺さずではありませんでしたが、多くの兵士を救った人で、生前は毎晩御本尊の前で亡くなった戦友の名前を一人一人をお題目とともに読み上げ、弔い続けていました。戦地の土を持ち帰り、亡くなった家を一軒一軒を回って遺族に渡した話や、腹わたが飛び出た友人を担いで大丈夫だと声をかけ続けた話、亡くなる瞬間は皆「お母さん」と呟いて事切れるという話など、色んな思い出が蘇りました。祖母に先立たれた晩年は認知症にかかり、最も強烈だった戦時中の記憶に戻って何度も実家から何度も逃げ出そうとしたこと。叢に隠れた祖父を呼び戻しに行ったとき「アメ公が来るから隠れろ」と言って必死に匿ってくれたこと。祖父は孫の自分たちには優しく、何度も戦争はいけないよと語ってくれた言葉が、今でも心に残っています。父が祖父に見せた『プライベート・ライアン』をじっと見ていた反応が興味深かく、当時の記憶が蘇っているようにもみえました。
舞台が沖縄ということもあり、4年前に行った本島のことも思い出しました。普天間基地移設先の辺野古の海に立たれた杭や、戦闘機の騒音、オスプレイに怯える人々、米軍によるレイプ問題などなど、その美しい景色の代償に大変な思いをしてきた歴史を知り、今もなお米従属国であることに憤りを覚えました
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