息を呑む程の描写の数々と実話ならではのリアリティ。
戦争映画は例外なく辛く悲しく虚しさだけが残るけれどこの作品は他とは視点が異なっていた。
軍隊では臆病者と罵られ、それでも銃を持たずして戦場に赴くデズモンド。
人を殺めるのではなく救う為に一人の衛生兵として戦う彼の姿はむしろ誰よりも勇敢に見える。
ハクソーリッジの崖地に残り
一人、一人、あと一人…
救った命のなんと重いことか…
もはや自分が日本人である事すら忘れる程にその揺るがない信念がもたらす勇気に胸が熱くなる。
折に触れて思い起こされてくれる戦争の恐ろしさと悲惨さは本作でも痛いほど体感させられるものだった。