ラウシュ魁

ハクソー・リッジのラウシュ魁のレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.5
待ちに待った、やっと見れた映画。
公開当時は予告編を見て、主人公デズモンドが戦場で敵(日本兵)から投げられたであろう手榴弾を蹴り返してる?投げ返してる?シーンがあって「何この現実離れした戦争アクション、そんなのいらねぇんだよ」とか激昂してて、全く期待してなかったというのが正直なところ最初の印象。


見てみたらまぁ序盤からしっかり感動させられる…笑
主人公デズモンドの父親良いなぁ、俳優も良いし、キャラクターも良いし(キャラクター立ってるって意味ね)、演技も良い。兄が入隊を決めた時の父親のコメントが響く。第一次大戦の前線世代って言うんだよね、全体戦争の後の社会ってこういうことなんだろうな、、、ここら辺、ちゃんと幼少期のドラマがあって、そこが伏線とかじゃないけどちゃんと活きているのは良かったかな。
まぁ宗教色は強め、流石メルギブソン。笑
そして流石泣かせてくる。


しかし実話ベースって考えると、凄いけど、いや凄いんだけど、でもなおさらその断りを入れると少し映画の描き方とかに少し不満が…
と言うのも、デズモンドが軍曹に口答えするのは信念があってカッコいいけど、正直そんなこと有り得ないと思うし、もし口答えしてたのも含めて実話だったんならデズモンドの訓練の日々はもっともっと酷かったと思う、、、
その後執拗ないじめは描かれてたけど、少しドラマ色強め。戦闘の合間もドラマ多め。厳密にどこまでが事実でどこからが演出なのか気になってしまう。。
いつも言ってるけど戦争映画にドラマは要らない。。カッコいいシーンなんて戦争映画には要らない。なぜなら戦争はカッコ良くもなんともないから。ありのままの地獄を表現すべき。

そして沖縄で、実際に戦闘が始まるシーン…なんだよこの脚本、このワンシーン必要か…?その前の戦場の悲惨な状況を描写するシーンは良かったけどこれで凄い質を落としてしまっている気がする。
うん、その後も何回か出てくるけど、戦争が悪夢なのはわかる。でもビビらせる演出は絶対必要ない。これはそんな映画じゃない。てかそんな映画であって欲しくない。
まじ、お化け屋敷映画嫌い。

そして最初に言った僕がいただけないシーンと言うのは、最後の最後に来たのだね、笑 まぁ終わり方としては妥当といえば妥当だけどさ、、、


しかし全体を通して、"戦わない選択"、"武器を手にしない選択"ってのは凄い。
改めてこれが実話ってのが凄い。実在した人なのであれば、(まぁ歴史上の人物ってことなんだろうけど)心から尊敬する。
文脈は全然違うけど非暴力、不服従の精神だね。
そんな人間が戦争に実際に行ったのか。

この点で言えば、先言ったのと矛盾するけど、この上なく最上のドラマ。
そこはもう褒める以外何もない。

あと、個人的っていうか主観マックスだけど、これまで見てきた戦争映画の中で、ダントツ一番に、「なんでこの人たち戦ってるの…?」って思ってしまった。そしてこれそこ戦争映画において最重要なテーマの一つ。
戦争映画はやれファシズムとの戦いだ民主主義の戦いだとか、もしくは隣にいる戦友のために戦ってるとかって言ってるけど、戦場で戦っている人間にはそんなものはない。ただ向かい合っている人間と殺し合っているだけ。そこに理由もイズムも何もない。それを感じられた。
しかも今作では主人公が、他でもない、その中で1人だけの、戦わないし武器も持たない人間、殺し合いに参加せずに人を助けることに尽力した人間であって、その視点で織りなされる描写は何かこれまでにないアングルだったと思う。何かこう、少なくとも自分がこれまで見てきた戦争映画の中ではユニークで、どこか神秘的であった。

最後の実際の映像のコメント、泣きました。
そこを考えると再現度の高いドラマなんだろうけど、、、
ストーリーっていうか物語は最高。
映像、演出に少し個人的にはうーん…
全体として、3.5点。(大好きな映画の一つではある。)


どうでも良いけど主人公デズモンドの彼女&妻役とても可愛い、、ファンなった。笑