たびたび戦争映画になってしまいますが、今作もまた違った視点で見せてくれる映画でした。
日本側の視点ではなく、アメリカ側の視点で沖縄の戦争が描かれるため、アメリカ側からしたら日本兵がいかに恐ろしかったかがよくわかります。
彼らも彼らの守るべきもののために戦い、死にたくないと願い、家族のもとに戻りたいと、ただそれだけを願って戦っていたんだと、当たり前のことだけれど気づかされました。
ただ、武器を持たず、人を助けるためだけに戦場を駆け抜けた兵士がいたなんて、正直この映画を見るまで私は知りませんでした。
自分の信念を曲げず、人を1人も殺さず70人以上もの兵士をたった1人で助けるって、フィクションの世界ですよ。
それを現実世界でやってのけたんだから、デズモンドは英雄以外の何者でもありせん。
人を70人殺すよりも、人を70人救うことの方が遥かに難しく、当たり前に素晴らしいことなんですから。
エンディングでお爺さんになった本物のエズモンド達がインタビューを受けている場面があるのですが、やっぱり実際の人が戦争の場面を話しているシーンはグッと来るものがあります。
どんどん戦争から時が経ち、戦争経験者が減っているこの世界で、こうして戦争の悲惨さを話してくれる人は貴重であり、こうして映画として残してくれる製作者様達には本当に感謝です。