<概説>
戦場において一人の敵兵も討てないどころか、銃を持とうとすらしない臆病者の男。彼はいかにして栄誉ある勲章を授かるまでの英雄となったのか。心優しき衛生兵が戦場を駆ける。
<感想>
戦闘シーン:
迫力がある。アリ。大いにアリ。
ストーリー:
見事な王道英雄譚。娯楽性も抜群。
演出:
よくここまで残酷描写を妥協しなかったものです。
ここまで褒めて、なぜここまで点数が低いのか。
それは単純な理由です。
これが戦争映画だからです。
非暴力主義だ。反残虐性だ。やりたいことはわかる。
ただその構造があかんのです。なんで戦場の異色英雄物語なんて作るんですか。これじゃあ戦争には愛も情も栄光もあることになってしまうじゃないですか。
仮に数年後戦争がかの国で起きたなら、本作は適宜添削のうえでプロパガンダとして利用されるのが目に見えますよ。
「力がなくとも国に貢献できる!」
「君達は神の恩寵に守られている!」
「さあ恐るるなかれ!若者よ戦場へ!」
私としては別に日本人が悪役すぎるだとかは、どうだっていいんです。本筋関係ない枝葉末節ですから。
単に戦争が綺麗で、美談で、カッコイイのが苦手。
な〜〜〜んかめんどくさい映画の固定観念を自覚して、映画とはまた別のところでどんよりです。