にゃんこむ

処方箋を乱用する者たちのにゃんこむのレビュー・感想・評価

処方箋を乱用する者たち(2015年製作の映画)
3.7
また、ネトフリでアメリカの薬物乱用問題ドキュメンタリー。
この手の題材が多いところをみると、アメリカでの薬物問題は本当に深刻なんでしょうね。

ちょっと話は変わりますが、
先日ヴィーガンの親が子供にヴィーガン食を強制して栄養失調にさせているケースが少なくないとネットニュースで見ました。その記事で「しかし、アメリカの栄養なんちゃら学会は問題ないとの見解を示している」という文章があったのですが、ネトフリのドキュメンタリーを見ていると、医学に関してはアメリカの学会こそ信用出来ないよなぁ……と思いました。
処方箋薬にしても何にしても、企業利益優先なイメージがついてしまっているんですよね(汗)

インタビュー映像の中でとっても印象的だったのは、
娘のアデロールを、娘の病気は治ったからもう薬はいらないのと嘘をついて奪って自分で使った母親。
そしてその母親はアデロール依存になるわけですが、前提からしておかしすぎ。娘の薬を奪おうと思ったその思考がありえない……。
私の周りの価値観では、「処方薬は本人の為に出されたものだから、他の人は飲んじゃだめだよ」という考えが多くて、日本でもその考えが主流だと思うのですが、アメリカだと「〇〇を飲めばハッピーになれるよ」という情報が周知されているので、処方薬に対する抵抗が無さ過ぎるんでしょうね。

薬物乱用って言葉だけだとイメージしにくいですが、薬物耐性がついてきて服用量が増えると90錠を飲むこともあるようです。そりゃ死ぬわ……。

ラストは薬の依存だけではなくジャンクフードやカフェインなどの依存についても言及されています。どれも”依存性”が問題になっているものばかり。
最近は健康志向の電子タバコなども出てきましたが、私は健康的じゃないかどうかより”依存性”が問題だと思っているので、「健康的だから吸ってもいいよ」と暗に言っている電子タバコはニコチン依存を推進させると思っているので批判的です。

伊藤計劃さんの『ハーモニー』という小説が好きなのですが、未来の人々は自分の健康に関して非常に関心を持っていて、アルコールはおろかカフェインですら害悪として描かれています。近い未来、その小説のように、カフェインも危険なものとして認識されるようになるのかなぁと思うと感慨深いです。

私も一時期は明らかにカフェイン依存症で水分は全てコーヒーで摂取するような生活を送っていましたが、ある日これじゃダメだと思い、今はコーヒーはおろかエナジードリンクやコーラなども避けるくらいカフェイン無しな生活を送っています。結果的にとても快適。「コーヒーが無ければ……」なんていう考えはまやかしだったんですよね。
カフェインですら離脱症状が酷いのに、薬物を断つ辛さは想像を絶します。依存性のあるものの販売に対して、企業も消費者ももっと敏感になるべきですよね。
にゃんこむ

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