サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を大学生の時に読んだ、という記憶、はある。
免許取りました、パーマかけました、
洋楽聴いてます、みたいな流行りに
僕も乗ってます!みたいな感じで、
友達に「読んだよ♪」て話したことがある。
でも、内容は、全く覚えていない、、、
40年前の平凡な日本の大学生でさえ、読んでいる、世界的なベストセラーを書いた
J・D・サリンジャーとは、どんな人なのか
初めて知る物語。
なるほど〜かなり高慢チキなところもある文学青年だったんだ〜
なるほど〜、父親は、反対だったんだ、
アメリカ映画によくあるパターンだな〜
えっ、こんなところで、あの尊敬する映画人が出てくるんだ!→画面には出てこないけど、、
まだ、「ライ麦畑で〜」は書かないんだ〜
と、人に歴史あり的に、興味深く観ていたけど、
まあ、出来事中心に追う感じで、正直、
そこまで、引きつけられるものはなかった
しかし、この物語は、日本語副題にも表れているように、サリンジャーが、あのベストセラーを書き上げた後の物語が俄然面白くなってくる。
面白いというか、痛ましい、壮絶だ!と
言った方がいいかもしれない。
大ベストセラー作家のもとに、ファンが
押し寄せる。
ファンは、小説の人物と作家と自分の境界線を超えて、サリンジャーに迫ってくる!
あれだけ作家になることを反対していた父は、成功した息子に、とてと痛い言葉を
投げかける。
この言葉は、重要なので、ここでは伏せておくが、
例を挙げておく。
日本のスポーツ関係記者の惨さ、
オリンピックでメダルを獲った直後のインタビューで、
「次のオリンピックの目標は?」て、聴く惨さ。
言葉では「次の五輪も頑張ります!」て言うけど、一瞬、表情が曇り、悲痛な影を見せる選手もいる。
今まで頑張ってきた人たちに送る、些細な暴力
「次も頑張れ!期待してるぞ!」
そして、本作の後半が特に優れているのは、
サリンジャーが無名時代、いや、もっと遡って作家になる前からお世話になったある人物との関係が実に痛ましく、悲しく描かれているところだ。
それを演じるのが、名優ケビン・スペイシー!
アカデミー賞を主演も助演も受賞している名優が、セクハラ問題で干された状態になっていたが、さすが!です、この演技!
問題は問題としてきちんと決着つけて、
やはりスクリーンに帰ってきてほしい名優中の名優だと思いました。
出演シーンを一気にクオリティー高められる俳優さんて、そんなにいない!と改めて思いました!
成功ストーリーは、数多あれど、
成功の先の物語は、あまりない。
そんな意味でも価値ある一作だと思いました。