ほーりー

終身犯のほーりーのレビュー・感想・評価

終身犯(1962年製作の映画)
4.1
【塀の中の鳥(バード)男(ランカスター)】

レビューの前に宣伝です。プロフィールにも書きましたが、実はこの度、東京府中市で小さいながら似顔絵の個展を開くことになりました。もし足を運んでいただければ幸いです。

(追記、緊急事態宣言延長に伴い、6月に延期しました)
『堀口典雅にがお絵展』
◯日時: 2021年6月18日(金) 13:00〜19:00/19日(土)10:00〜15:00
◯場所: 京王線府中駅南口前 複合ビル ル・シーニュ6階
市民活動センタープラッツ 第1会議室B
○無料
○こちらのFacebookにも詳細を記載してます。
https://www.facebook.com/groups/2484425791848334/?ref=share

映画俳優の似顔絵メインで展示しますので、宜しかったら遊びに来てください。

実はこれの準備のために最近、更新やみなさんのレビューを拝読できていませんでした。ごめんなさい(;^_^A

さてレビュー。ひさびさのクラシック映画『終身犯』。

この頃のジョン・フランケンハイマー作品にほぼ外れなしといった感がある。

殺人罪で収監され、さらには刑務所内で看守も殺してしまい終身刑の身になった男が、怪我したスズメの雛を拾ったことがきっかけで、世界的な鳥類学者へと成長するまでを描いたヒューマン・ドラマ。

主演は初期フランケンハイマー作品と言えばこの人、バート・ランカスターである。

バート・ランカスターが演じた主人公ロバート・フランクリン・ストラウドは実在の受刑者で、実際に劇中のような鳥の繁殖や敗血症研究で注目を浴びた人物だったそうな。

粗暴だったストラウドが鳥を育てる中で、命の大切さや相手を尊重する気持ちを徐々に学んでいく姿が感動を呼ぶが、Wikipediaのストラウドの項目を読んでみると実像はかなり偏執的で凶悪だったという。

この辺り、そのまま描いてしまうとドラマとして成立しなかったのだろう。

母親役のセルマ・リッター、刑務所長役のカール・マルデン、ムショ仲間役のテリー・サヴァラスも印象深いが、何といっても名演だったのは看守役のネヴィル・ブランド。

当初は主人公と反目しあうも、やがて主人公の良き理解者と変わっていく(しかも面と向かっては良くは言わないのがイイ!)

ランカスターがアルカトラズに移送される際に、彼を見つめるネヴィル・ブランドが今にも泣き出しそうな心の中から悲しんでいる表情をしていて何とも堪らない。

硬派な映画を観てみたい方には是非オススメの作品。

■映画 DATA==========================
監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:ガイ・トロスパー
製作:スチュアート・ミラー/ガイ・トロスパー
音楽:エルマー・バーンスタイン
撮影:バーネット・ガフィ
公開:1962年7月3日(米)/1962年9月26日(日)
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