「岡崎って、悩みなさそうだよね」
よく言われます。
いや待て、お前は俺の何を知ってるの?
みんなが求めてる様にちょっとチャラケてるだけ。
これが本当の俺だと思ってるの?
とまぁ、少し怒りの気持ちも抱きますが、
「うーん、そんなことないよー!少しくらいあるよ!」くらいで済ますのが、
俺の悪い癖。
結局怒る俺なんて誰も求めてないし、
誰も幸せにならないからね。
でも、まぁ、自分を押し殺すわけで、
結構辛い時は多いし、後になって後悔することは多いです。
でも、やめられない。
あかりも男が楽しむ様にエロく、可愛く、
時に意地悪に自分を演じる。
女には女用にサバサバと女子会で話をまわしたりする。
求められてるように、相手が喜ぶようにしてあげるだけ。
結局、そういう枠から外れることができない。
そうやって生きてきたんだもん。
でも、やっぱりそれって苦しいと思う。
映画の中ではあかりの本心は全く出てこない(わざとだと思う)。
泣く姿も出てこない。
でも、本当は苦しいんじゃないか、
影ではげっそり疲れてるんじゃないかと心配になる
(そうやって俺も心配させるあかりはやはり狂わせガール)。
あかりをそんな「求める姿になる」様にさせたのは、
まとわりつく男たち。
男の社会は基本的に表面しか見ないのが常識。
アツいとかダサい、感情的になるとか空気読めない、平和に生きていく為に中身を見て見ぬ振りをしていく厨二病の精神がある
(もちろん俺もその中のひとり)。
あかりもその男の中で「ヤりたい」と思われ育ってきた。
あかりの可愛さしか見ずに。
だから、必死にあかりは「私の気持ち考えてくれてないじゃん」と男たちに伝える。
野菜も値段だけじゃなくて、産地も見てと怒る。
そんな風に自分を作ってきた男たちに逆襲を仕掛けるのがこの映画。
痛快ではある。
でも、なんか悲しいし虚しい。
主人公・コーロキもあかりの恋から他人の中で自分を生きることを学ぶ。
あかりはあかりで男を狂わせて生きていく。
でも、何だかハッピーではない。
社会で「自分」を生きるって難しいよ。
奥田民生になりたいって言うけど、
奥田民生もみんなが憧れる様にラフな感じを演じてるかもしれないよ。
そんな社会を知らない、
憧れを持っている未熟な頃が一番楽しいのかもしれないなぁ。
なんだか、すっごい暗いレビューになってしまった…。
でも、そのぶんモヤモヤするし、考えてしまういい映画。
雑誌編集を取り上げる作品とだけあって、
パンフはとても楽しめる様に作られていますので、
ぜひ買うことをオススメします!
燃え殻さんのコラムがとても泣けます。
女の社会は女の社会で大変かもしれないけど、
男も男で社会は大変だよ。