うらぬす

ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルのうらぬすのレビュー・感想・評価

3.9
よくある(しかし往々にして心揺さぶられる)心に傷を負った少年と偏屈な老人の交流の物語と思いきや、予想だにしない方向へストーリーが転んでいく、風変わりでオリジナリティ溢れる作品だった。ふたりのような人物が受けがちな社会からの誤解やお節介をスケール大きめに描き、彼らの逃避行をそんな社会での居場所を求めて彷徨う姿として表現するという、そのあたりはすごく明確。そして愛すべき馬鹿馬鹿しさとでも言うべきユーモアが随所に仕込まれているのはこの監督らしい。
たぶん円盤化もされておらず埋もれてしまっているのがもったいない。