鋼の錬金術師のnnnのネタバレレビュー・内容・結末

漫画「鋼の錬金術師」実写化。原作未読。
Filmarksでは酷評だが、原作を知らないからか邦画にしては良く頑張ったという印象。原作が洋風なテイストであることから、日本人があの世界観に馴染むのは難しいのかもしれないが、キャストは確り見た目・演技と健闘していたと思う。少なくとも学芸会レベルの他実写化よりはCGの出来栄えも重なり良い。導入の戦闘シーンで非常に期待の高まる世界観とバトルから始まるのも良かった。

中盤までは話のテンポもそこまで悪くなく、タッカーのキメラ作成やヒューズの殺害など胸糞悪い（錬金術の恐ろしさを良い意味で表現できている）展開で視聴者を驚かせる。中盤ではそこまで戦闘シーンがなくとも、伏線を終盤で確り回収しながら激戦を広げてくれるに違いないと期待していたのだが、終盤が肩透かしだったのが残念。主人公はロクな活躍をせず、マスタング大佐の炎で悪役はあっという間に敗北。バイオハザードのように襲い掛かる人形どもも弱すぎやしないか。タッカーも小日向さんもホムンクルスも目的が何なのか良くわからず、アルとエドの兄弟愛も全然伝わらずじまい。予算の都合なのかは分からないが、少なくとも脚本がいまいちだったと思う。ファンからしてみれば改変を喰らいつらい思いをし、原作未読からすると話が飛び過ぎて良くわからないという展開。少年漫画特有の熱い展開が完全に終盤で冷めており、キャストの熱演もむなしく終わっている。もっと上手く作ることが出来たのではないかと悔やまれる。ラスト・タッカー・ヒューズはとても良いキャラで、脇役が確り固めていたのは良かった。それだけに勿体ない。