このレビューはネタバレを含みます
1回目の視聴は2019年頃。
その時はただの不倫映画としての印象しかなかった。3.4。
2回目は、全く違った感じかただった。
大事に想っている息子や妻や娘と心が触れ合えない自分の心の穴を無言で理解し合える相手に出会ってしまった、そんな2人の置かれた現実が切なかった。
ギホンの妻が「辛かっただろうな」「どれだけ寂しかったのだろう」と少し彼を理解しようとしたこと、また娘が彼と抱き合い、触れ合った瞬間があったこと、それだけがあの日ホテルの部屋に入ったか、入るのを止まれたか、本当に紙一重な気がする。サンミンもギホンに会いに行く前に夫と話していたら、またタクシーの中で聴いた息子の歌をあの時聴いていたらどうしていただろうか…。身近な間柄だからこそ薄皮一枚で繋がっている、という家族もこの世にはあるって感じさせられた。
韓国映画にしてはセリフが少なくどこか仏画を彷彿させる行間の余韻を感じられる作品だけど、セリフのない情事のシーンの描写が長いし、邦題のせいもあるのか単なるストーカーまがいの男と現実に疲れた女の不倫映画に仕上がってしまっているのは残念。 チョンドヨンの演技やっぱり好きです。