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男と女のERIのレビュー・感想・評価

男と女(2016年製作の映画)
3.4
なるほどな。

1966年のフランス映画を観た後にこの作品を観たからか、妙になるほど!と。

同じタイトルだけど、こちらの韓国映画の方は「男と女の結論」を描いた作品で超絶にリアルな男女の行動と結論の導き方が描かれていた。グサグサ痛くて切ないよ。一方フランス映画の方は「男と女の激情」を描いた作品で恋の先というよりは出会いから惹かれ合う二人のその時間をただただ魅せた作品。その切り取り方も文化的な嗜好が垣間見れて面白い。

さて、本作。最初はとてもありふれた設定と美しい景色の中で淡々と描かれる男と女に、そんなに入り込めなかったのだけど、後半にかけて二人の選択や想いが展開を見せて引き込まれてく。

身を焦がすほどの、恋。

チョン・ドヨンさんとコン・ユさんの静かで大人な時間は美しかった。主演2人の魅力と、フィンランドの雪景色にこの作品は支えられてますね。

ココからは万国共通なんか、と思わずにいられない男性と女性の性差について。男性は目の前にある現実は一旦横に置いておいて欲しい女性がいたら、追いかけるんだね。この作品のギンホも突然職場に来たり出張について来たりして、好意が無かったらアウトなまでの肉食的アプローチ。男はどうしても欲しいものがあったらまず追いかけるんだなと改めて実感。一方女性は現実的だから、いやいやダメだよと線を引きながら少しずつ隙間を開けてしまう。ちょっとずつちょっとずつ許して、そのアプローチを受け入れてしまう。

そしてほんの少しタイミングが狂うと大きくすれ違う二人。男はいよいよという時に現実を選ぶし、女は最後に覚悟を持って全てを捨てる。これが男が浮気で、女が本気になる由縁なのか。

涙を隠しながら日常を選んだ男と、大声で泣きながら全てを捨てて人生をはじめた女はどっちが幸せなんだろうか。
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