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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話のdeenityのレビュー・感想・評価

2.5
広瀬すずが主演の実際にあったチアダンス部が全米で優勝しちゃう話。実はこの話の舞台となったチア部に所属してた人が友達にいるので見に行かなきゃなー、とは思いつつも劇場には行けませんでした。

とりあえず話自体はすごい。もう拍手を送るしかないレベルのサクセスストーリーなのに実話だっていうんだから本当にすごい。パッと思い出したのは『フラガール』でしたけど、あれも確か実話でしたよね。ダンスを題材にした映画ってあんまり知らないですし、あまりないだけあってサクセスストーリーしかないかもしれないですが、それでもノンフィクションっていうことで多くの感動を生むのかもしれませんね。

特に広瀬すずは最近役者としての力をメキメキつけてきているので、何となく安っぽい映画にならないか懸念してる部分はありましたが問題なさそうでした。まあ彼女の持ってる透明感とかの影響も大きいですが、この子は誰かを応援するのが確かに似合うというのは同感です。

しかし、せっかく題材なのにその成長過程が雑過ぎて、というかもっとあったはずの壁があっさり描かれ過ぎてるのは残念でしたね。実際3年の月日を描くのなんてどだい無理な話なのはわかってますが、それでも上手くいかない壁を乗り越えていくから感情移入して感動するんだと思うんですが、その辺がサクサク進み過ぎて成功まで行き着くのがちょっとスポ根を辿ってきた自分からすると不服です。
『フラガール』の例えを出せばあの映画のモンタージュシークエンスって個人的に大好きなんです。あのメロディーと周りを取り囲むキャラクターを映していき、周囲の成長を描きながら最後は新聞のカットでガラッと変わったフラガールたちを映し出す。短い間に成長過程を映した見事な表現だと思います。しかし、それが生きるのはその手前でしっかりと彼女たちが壁にぶつかっているから。そういう部分が本作にも欲しかったな、ってのは残念なところでした。

そのくせに先生のあのくだりは卑怯でしょう。あんな見せ方はそりゃ感動するんですけど、それもやっぱりあの怖い顔の裏には実は…的な流れがあってこそ。あの先生にはそんな怖さも優しさもなく、むしろ無関心な人に見えましたよ。
たぶん実際は違ったと思うのであんな力技に頼っては卑怯でしょ。またいつか友達に会ったら聞いてみたいと思います。
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