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オリバー ニューヨーク子猫ものがたりのRenのレビュー・感想・評価

3.5
普通に面白いです。第二黄金期突入前夜、ディズニー覚醒のきっかけとなる名作。興業面で見ても前作の2倍近い数字を叩き出し、暗黒期を脱した作品になると言える。

兎にも角にもキャラクターが可愛い。ディズニーが量産した犬猫メインの作品群の中でもトップクラスのキャラデザ。オリバーとか、もし今パークでぬいば発売しても大人気商品になるんじゃないでしょうか?主体性・積極性という意味での魅力には若干欠けるけど....。ドジャーのはぐれ者っぽいけど信頼もあり頭がキレる感じとか凄く好き。

オープニングのNYの都会の風景、手描きのタッチとお洒落な音楽による高揚感!劇伴の充実さは、今後のミュージカル路線での大成功(『リトル・マーメイド』『美女と野獣』等)を予感させる。

富裕層と貧困層の分かりやすすぎるほどの描き分けが、そのまま脚本の起伏となって現れており、中弛みが最小限に抑えられているのも高ポイント。終盤のアクションも、スピード感と手数の多さで楽しませてくれる。
ジェニーの育ちの良さと可愛らしさ。いい子すぎる。オリバーが彼女に懐くことに説得力があるし、そこがイマイチだとあらららってなるので。

大きな事件から解決までが終盤に詰め込まれすぎているのは、脚本の配分としては歪で上手とは言えないけど、これもまたこの時期の長編アニメーション映画あるあるの一つ。全体通して、70〜80年代のディズニー作品の空気感を味わうにはいい映画なんじゃないかなと思った。スッキリハッピーエンドでとにかく観やすいのもgood!

今作を象徴するような劇中歌『Why Should I Worry?』が素晴らしい!シンガーは、英語版がビリー・ジョエル、日本語版が松崎しげるというとんでもない豪華さ。
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