おはうち

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのおはうちのレビュー・感想・評価

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鑑賞当時2018/06/29

超絶モヤモヤ傑作。超面白い冒険活劇で長編を一本作ってくれたら完璧だったのに、何でスピンオフ側で物語の風呂敷を広げてしまったのか。ロン・ハワードの手捌きが素晴らしいだけに勿体ない。クライマックスのコンパクトな空間での対峙は好きだが、カタルシス無し。妙に人が死ぬ歪さ。

対峙する一応は父性にあたる人物との一瞬で終わる教訓と結果。早撃ちの業を継承。派手さからは遠いが、簡素でハッキリとカタチになる終わり方。スター・ウォーズが繰り広げる、戦争を背景に回りくどく父と子が争うのと打って変わり、立ち塞がれば騙すし、殺す。即物的に成長を促す早業。

ウディ・ハレルソンと言い合って別れた場所と、再び対立する場所の同一性。あと、雪原でベケットがハン・ソロを一発殴るくだりの場所。簡素で荒涼としたシンプルな広い場所。

一番スター・ウォーズの中でもブラスター光線の撃ち合いが最も格好良く撮れている。デザインが地味だと思ったウディ・ハレルソンだが早撃ちガンマンで美味しい役回り、キャラの性格に応じた立ち回りをしてくれる。編集が上手いんだろうね、早撃ちはキレが良い。

焚き火を囲い団結、トレードマークを手にして列車強盗へ移行する活劇として圧倒的な正攻法、古典さに感動。ブラスターの赤い光線が美しく映える雪山、列車の上で構えて撃ち合う様式美。直線で人物が撃ち合い、列車が曲がり距離が変動する。第三勢力の出現と切り込み。最高に楽しい。

カーチェイス、浮遊する車体をナメるように全身を見せて簡素なデザインでも格好良く映す。単純な道路を工夫してメリハリのあるカークラッシュ。ここぞで見せるカーアクションの間に、極端な接写で映されるオールデン・エアエンライクの眼光の格好良さに痺れる。

ミレニアム・ファルコンを使ったアドベンチャー、追いかけっこ、機体内部でのドタバタ、乗組員の掛け合い、何もかも楽しませる為に用意されたアクションが楽しい。ロン・ハワードこそが一番ファルコンを上手く扱えるんだという叫び。

ep4に一番手触りが近いくないかな。ストーリーの繋がりやキャラの因果でスター・ウォーズに仕立てるのではなくて、若者の活劇によってスター・ウォーズらしさを獲得している。

ポーカーみたいなギャンブルも、絵柄やルールとか全く分からないけど、編集で役者の顔やクリーチャーを使い、賭場を盛り立たせてグルーブ感を醸し出せてるんだから上手いよ。手先が器用つーかね。

下水の水溜りから現れるキモいクリーチャーとか、超巨大タコとか、珍獣でも満足度が高い。

3D効果は皆無で、お金を返して欲しい。頼むから2Dだけにして。

敵に囲まれて集中砲火されるシチュエーションでは、作り手が手に余ったのかエミリア・クラークが手榴弾を投げたら殆ど全滅する、そんな粗雑さも素直で宜しい。

途中からポール・バーホーベンが監督し始めたのかと見紛う唐突な戦争シーンも愉快。

スタイリッシュで今風な、手数が多くてキレキレな殺陣が突然おっ始められてビックリする、なんなんだホント。
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