マクガフィン

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのマクガフィンのレビュー・感想・評価

3.1
スター・ウォーズ(SW)シリーズのスピンオフ作品。

ハン・ソロという名前の由来、チューバッカとファルコン号の出会い方などの旧三部作などにリンクする起源や謎や経緯の細部が可視化された喜びや、謎が分かったスッキリした爽快感や、SW知識が増えた謎の優越感も味わえる。

全般を通した惑星内の独自でダークの色彩はソロの環境や世界観を表したのだろうが、アクション含めた全てが見えにくく、分かりにくい。コミカルを挟んだ中和や一端気持ちをリセットするプロットも必要だったのでは。150分は長過ぎる。
一辺倒なテイストは面白みが欠けて、重厚で骨太な作品でもエンタメにもならなく、また其々が融和するでもない中途半端な作品に。

最大の問題はソロのキャラが弱いこと。ソロは密輸業を営む無法者の設定だが、密輸業者にも無法者にも見えなく、タフさや破天荒さもイマイチでシニカルさも足りない。泥棒や密輸業に手を染める説得力も弱い。

逆にヒロインのキーラ(エミリア・クラーク)は、水原希子のような男受けが良さそうな、愛くるしい顔立ちや可愛い仕草の中にファムファタール的なミステリアスさも持ち合わせた雰囲気でキャラ立ちが良い。美男美女な主演2人が躍動し、ウディ・ハレルソンの主役と真逆な顔立ちの配役は、一昔前のディズニー映画のようにも。

新シリーズで問題があるフォースには触れない違和感、キャラで選別する分かりやすい裏切りと信頼の展開、爽快さや躍動感のないアクションシーンは如何なものか。更に、どんなピンチでも助かることが分かる個人の過去エピソードや、キャラ立ちの弱さから裏付けが後付けされた辻妻合わせのような印象もあり、スピンオフ作品の弊害も垣間見れる。次第に自由を求める行動や戦いなのかが良くわからなくなり、金の重要性ばかりに。

人間同士の関係や絡み微妙だが、ソロとチューバッカのコンビは抜群に良くて好感。出会いの脱出シーンがメタ的でもあり、ソロが操縦席でチューバッカが副操縦席にいるだけで絵になり、文句を言いながら一緒にシャワーを浴びるBL的な仲の良さも微笑ましい。

ライトセーバーの戦いや、ダースベイダーのテーマ曲が無かったことは仕方ないが、多少強引でも爆音で、SWのテーマ曲を入れ込む力技も必要だったのでは。

興行不振で今後のスピンオフ作品は白紙状態らしいが、個のキャラにスポットを当てるのではなくて、物語をメインでキャラを絡めるスピンオフ作品の方が良いのでは。
一年に一回見れることは貴重なので、頑張ってほしい。