ゆーあ

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのゆーあのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いやーー出来てた!ちゃんと完成してたねええ!しかもスター・ウォーズシリーズに名を連ねるに恥じぬクオリティで!製作過程ですったもんだありましたが、さすがはロン・ハワード監督です!

銀河史上最高のハンサムガイの若かりし日を演じるのは大変なプレッシャーだったと思いますが、大役を務めたオールデン・エアエンライクくんはとても素晴らしかったです!頬の筋肉をぐっと上げる笑顔の作り方、口を開く間の取り方からジョークに失敗し肩をすくめて身を引く姿…立ち方ひとつとってもハリソン・フォードの若い頃といって大いに納得できる仕上がりでした。めちゃくちゃ研究したんだろうなあ。冒頭キーラに会った瞬間強引めにキスするのとか、「おっ出た出た」とニヤけてしまいました(笑)。皮肉屋で斜に構えた部分が控えめな一方、人を信じたいと願う純真さがあり、若さを感じさせる足し算引き算も絶妙。その完璧な役作りのおかげで、すっと映画に入り込むことができました。

物語の展開も、チューイ、腰のブラスター、ミレニアムファルコン、反乱軍との繋がり、自由…私たちが知るハン・ソロを形作るピースが一つひとつ集まりはまっていく流れがとにかく気持ち良い!特にミレニアムファルコンの操縦席に飛び乗り、隣のチューイに目配せして操縦幹を握った瞬間に流れるスター・ウォーズのテーマ!グワっと血が沸き立ちました!スピンオフは「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…」の後に例のテーマ曲が流れないので、ようやくすべてが収まるべきところに収まって、スター・ウォーズに成った気がして。新品ピカピカのミレニアムファルコンのスイッチをパチパチやる、「オールドスタイルな最新鋭」感もたまらない。オリジンに望むものがしっかり詰まったスピンオフ映画でした。

今作の重要キャラクターの一人であるベケットは、存在感がありましたね!まず登場シーンの、片足に重心を置いて片手でブラスターを撃つ後ろ姿。もーこれまんまハリソン・フォードのシルエットで、彼がハン・ソロの人生に大きな影響を与えるんだなと一発で分かります。しかし彼自身は可哀想な運命だったなあ…。喪うだけの人生だったというか。最期は利に聡い裏切り者のふりをしていたけど、どんな大義名分があろうと、大切な仲間やパートナーを殺したクラウド=ライダーズと手を組むことは出来なかったよね。クリムゾン・ドーンについて将来の安寧を得ようとしていたかといえば、きっとそんな夢はヴァンドアで仲間の死と共に喪われて、残ったのは燻る復讐心だけだったのかなあ…と思ってしまいました。
キーラにも同じような虚しさがあり、帝国軍がバックにいる時点でとっくにハンの腕の中には二度と戻れない場所に来てしまったという諦念がある。それに気づいていないのはハンだけで、それゆえに振り撒く陽のオーラがますます彼らの影を濃くするさまが痛ましくもありました。

既に未来の姿を知っている「過去編」の場合、通りすぎていった人たちの去り際は見所の一つとなりますが、ここは…う~ん、後片付けの限界を感じました。製作陣交代などでグチャグチャになってた映画をここまで整えたんだからもー許してくれ!!的な(笑)
つまりベケットやキーラなどキャラクター個人の運命はドラマチックだし、この作品単独でみればきれいに完成されてるのだけど、ハンの内面においてEP4以降に繋がる影響がほとんど無いように感じました。決して出来を比べる訳じゃないけど、同じスピンオフである『ローグ・ワン』が正史に欠かせない影響を及ぼした一作なのに対し、『ハン・ソロ』はファン向け映画の色合いが濃かったなと。そして私はファンなので大満足でした(笑)。

実際ファンサはすごくて、究極はやっぱりダース・モールですよね!そういえば半身機械化されて生きてるって設定あったけど、まさかここで実写が見れるとは!両刃のライトセーバーはやっぱりテンション上がりますね。またランドとの「お前のことが大嫌いだ」「知ってる」ってやり取り…これ映画史に残るロマンチックな名言のパロじゃないの!!私は吹替で見たのですが、この瞬間は「うわっ、これ字幕にすればよかった!」と思いました。

私はスター・ウォーズについてはどんな細かな設定も裏話も、スピンオフも過去編も大歓迎なので、『ハン・ソロ』でまた銀河の歴史と地図が広がりすっごく楽しかったです。ねえだから早く、オビ=ワンのスピンオフ実現してっ!
ゆーあ

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