のら

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーののらのレビュー・感想・評価

3.0
スター・ウォーズシリーズの人気キャラクター、ハン・ソロの若き頃を描くスピンオフ映画。若きハン・ソロつまりハリソン・フォードをオールデン・エアエンライクが演じている。

オールデン・エアエンライクの見た目は一見するとハリソン・フォードとはタイプが違うように感じるのだが、実際に動いているのをみると仕草など上手く似せていて悪くない。

話も犯罪組織への借金を返す為にコアクシウムと呼ばれる燃料を帝国軍から奪い、最後には犯罪組織からもちょろまかすといった、ハン・ソロのキャラクターにあった内容で良い。

しかし本作の問題はすべてにおいて平均点に収まっているという部分にある。全般的に言ってハン・ソロに関する有名なエピソードやスター・ウォーズお決まりの展開をこなすだけに徹しているため、どうしても盛り上がりに欠けてしまうだけでなく、ハン・ソロというキャラクターのディティールを補強する事が出来ていない。

特にこのキャラクターを補強出来ていないという部分が本作の最大の弱点で、ハン・ソロがアウトローな性格なのは良いとして、例えばエピソード4のラストでルークを助けに戻ってきたシーンなど、ハン・ソロの正義の動機付けの部分が本作を通してもよくわからない。本作の終盤でエンフィス・ネストを助ける展開にしても、ハン・ソロなら助けるでしょ?といった感じで、動機よりもキャラクターが優先されてしまっている。この部分を描かないのであれば、キャラクターに焦点を当てたスピンオフを作る意味はないわけで、本末転倒な印象をうける。

映画自体は悪くない。序盤の惑星での塹壕シーンは第一次世界大戦を彷彿とさせて良いし、その次に来る列車強奪シーンも非常にいい出来だ。そしてなによりも登場人物達が非常に魅力的だ。特にエミリア・クラークが演じるキーラは衣装のデザインも良い。またドロイドの L3-37 もキャラが立っていて良い。またケッセルからの脱出はアドベンチャーとして良い。ただやはり制作上の問題のために無難にまとめ上げた感が否めず、つまらなくはないけど、じゃあ特段面白いシーンがあるのか?と言われると非常に困る作品になっている。

あとラストの黒幕に関してはアニメ版の反乱者たちを見ていると、色々と合点が行くがそこまで見ている事前提なのはハードルが高すぎる印象をうける。
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