興業収入で大コケと報じられ、続くスター・ウォーズシリーズの見直しにも繋がるという悪いイメージの作品になってしまったようだが、鑑賞しての感想は、本作自体にはさほど問題は感じなかった。スター・ウォーズとしても無難な出来だし、普通のSF映画として見れば十分面白い。どうしてもスター・ウォーズというブランドのせいで期待値が上げられてしまうし、その中でも屈指の人気を誇るハン・ソロというキャラクターの話となれば尚更だ。しかし、映画として突っ込み所満載だった『最後のジェダイ』と比べ本作は良く出来ている。むしろこの前作のせいで悪いイメージを持たれたのが、興業成績の不振に繋がっているのは明確。不遇な作品で可哀想。元々年老いたキャラでないハン・ソロの若い頃という無茶な設定を演じることになった主演のオールデン・エアエンライクはハリソン・フォードに似せた雰囲気を出していて凄く良かった。10数年前の未熟な時期はこうだったんだろうなと思わせるに十分だったと思う。他のキャストもフレッシュな若手からウディ・ハレルソンやポール・ベタニーといったベテランとでバランスが上手く取れており、みんな魅力あるキャラクターだった。シリーズに繋がる設定も随所に感じられ、ビジュアルや演出も満足ゆく出来だった。少々盛り上がりに欠ける無難すぎるストーリーではあるが、期待値下がって観た分、自分は思った以上に楽しめた。本作自体は決して駄作ではないと思うので、関わったスタッフやキャストに悪い影響が出ないことを望む。興業成績の良し悪しだけで今後のキャリアにも影響が出るのがハリウッドの悪い所。ま、とにもかくにもじっくりと練って良い次回作を製作して下さい。