のぼうの城で有名な和田竜さんの原作で、小説も大変面白いです。
漫画ほどでないにしても、フィクションにて想像されるようなトンデモ超人技の忍者が多く出てきます。これは原作からしてそうなので、よくぞ映像化してくれたと僕は肯定派です。
原作イメージでいうと、無門はもっと歳をとった細身の長身イメージで、嵐の大野君は若すぎる気もしますが、不満ではないです。
伊勢谷さん扮する日置大膳がかっこよすぎて、そっちに持っていかれているシーンも多いですが、それはそれで嬉しい誤算。
そして鈴木亮平さんの役作りは相変わらず凄まじいものがありますね。
虎狼の輩と揶揄されるほどに、人を人とも思わないような守銭奴の集落で生まれ育った「忍び」たち。
金さえ手に入るなら身内さえも利用して捨てるという、徹頭徹尾、歪んだ人間たちの謀略が描かれています。鈴木亮平さん扮する平兵衛はそれを受け入れられず、集落同士の小競り合いにて弟が殺されたことで、伊賀者に強い恨みを抱くところから始まり。
彼は史実にも登場する実在の人物なので、物語の重要なキーパーソンになっています。
見所は、
忍者らしい激しい殺陣(といっていいんだろうか)と、
観ている側も騙される伊賀者たちの陰謀と、
次第に心情変化の起きていく無門の立ち回り、といったところでしょうか。
ネタバレなので詳細は割愛しますが、ラストの流れは原作をしっかり立ててくれていて、良い締めだと思います。
原作へのリスペクトと映像化における解釈の比率は、好印象ではありました。
ちょっとポップでコミカルすぎる雰囲気も感じましたけどね^^;
音楽や雰囲気は時代劇並みにおごそかでも、ちょうど良かったような気もしてしまいます。
特に、無門が重い甲冑を脱ぎ捨てて初めて戦場で「枷」を外すという、胸熱な直球ストライクシーンを、ギャグシーンにしてしまわれたのは、悔やまれます。
