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ガザの美容室のslowのレビュー・感想・評価

ガザの美容室(2015年製作の映画)
3.7
抑圧された光が、衝突し合い、火花を散らしながら、唯一残された生き甲斐に勤しむかのように、美を求め、小宇宙に咲く。

この舞台劇を観ている感覚は後期エルマンノ・オルミのようであり、ただならぬ予感はブリランテ・メンドーサのよう。パレスチナを描き続けるハニ・アブ・アサドの作品はどれも衝撃的であったけれど、本作が同じ舞台(地区の違いや、状況も悪化しているのかもしれません)で起こっている出来事であるということが、緊迫感を一気に強める。『判決、ふたつの希望』の世界とも無関係ではなく、正直どこまで理解することができたのか…物語はほぼ女性たちの会話劇であり、ぼんやり観ているとそれだけに終わってしまうけれど、その背景や情勢にまで理解が及べば、全く違った見方のできる作品だと思う。
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