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ガザの美容室のinukoのレビュー・感想・評価

ガザの美容室(2015年製作の映画)
3.7
ロシア移民の女性が営む、街の美容室。場所はいつでも戦場になり得る都市。人々の生活と武力衝突が隣り合っている。
あくまで美容室の建物の中だけで描かれるので、女性たちの会話だとか、小さなイザコザだとか、わたしたちの日常とそう変わらない。でもドア一枚隔てた店の外では、銃弾が飛び交い、誰かがそれに当たって倒れているのだなとわかる。
わたしたちの世界と何が違うのだろう。何も違わないのだろう。
たまたま生まれた場所が、たまたま平和な時期だっただけで。
ロシア移民の店主が、なぜ母国ではなくイスラエルで暮らすのか訊かれると、「あっちの国よりはマシ」という意味のことを言う。でもきっと同じなのだ。あの国も、この国も、わたしたちの国も。
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