ガザの美容室の作品情報・感想・評価

「ガザの美容室」に投稿された感想・評価

眉毛整えたくなる。
当たり前のように銃声が聞こえる日常。
当たり前のように美容室に集まる女たち。
全部当たり前。
日常を粛々と過ごすこと、それが彼女たちの抵抗。

わたしに何が出来る。
その問いが自分に突き刺さって抜けない。
chip

chipの感想・評価

3.7
カーテンを締め切った、パレスチナ自治区ガザの美容室。
さまざまな事情を抱えた女性客でにぎわっている。なかなか順番が回ってこないうえに、とても暑くて、イライラしている客もいて。
女性だから、おしゃべりも盛んで。
そんな風景は日本と同じだけれど...

外が突然騒がしくなり、爆音!!銃の音も響いて、停電!!
カーテンから外が見えないだけに、この音に対する恐怖感がすさまじい。
こんな殺伐とした地でも、女たちはオシャレをして楽しみたい、普通の生活がしたい、のですよね~敬虔なムスリムの、ヴェールを被った女性でも...

以前観たレバノン映画「キャラメル」、同じ中東の美容室を題材にしていたが...まったく違う緊迫感がありました。

カーテンを開けたら、ライオンがいてびっくり!
skm818

skm818の感想・評価

3.7
美容室の客たちがなんだかんだで待たされてイライラしてるところへ表ではゲリラと政府の戦争が始まってしまってもうどうすんのかという。他人にズケズケもの言ったりして喋り倒しているおばちゃんウザい。この人とヒジャブの人は友達なのか。アフリカ系の人の夫はゲリラなのかな。電話ばっかりしてる美容師は表のゲリラが恋人なんだね。結婚式のメイクに来た女の子とその母親と姑と義妹、臨月の女とその付き添い、脱毛に来たおばちゃん。停電して外じゃ戦争起きているのに、誰がトイレの鍵かけたとかで取っ組み合いの喧嘩。戦争が日常なんだよな。恐ろしいけどシャッター降ろして室内にいればなんとかやり過ごせるという。救急車も呼ぶし、結婚式の招待客がどうとかで遅刻するので迎えに来いとか無理なこと言ってる。そして子どもは生まれそうだし、ママは喘息だし、気になるのは恋人のことだけだし、なんかもうね…  怪我人を店に入れた途端に皆とりあえずという感じで肌隠したりストール巻いたりしてるの素早かった。これも日常なんだろうなあ。途中ちょっと寝たんでよくわからないところもあるんだが、あの女の子はどこ行ったんだろう。戦闘始まっても誰も彼女を心配してなかったような気がする。内容もなかなかだったが、ヒアム・アッバスひさびさに見られて大満足。
mana

manaの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

女はなぜ化粧をするのか

ギラギラのネイルをしている女の子が「ネイルは私にとっての精神安定剤」と言っていたのを思い出した。
女性が震える手で紅を塗ったり、ネイルを塗ったりするシーンに"この感じ分かる"と共感出来るのは女だからだろう。
彼女達は身を飾ることで、精神を武装してるのだ。

けどこの共感も、平和ボケした日本では武装の相手がムカつく上司だったり、マウントしてくる同僚だったり、ほんとこの映画の状況に比べたらク◯みたいなものでとても申し訳なくなるんだけれども、根底は一緒だと思う。

1つの美容室内で繰り広げられる所とか、携帯電話を通じて其々のバックグラウンドが垣間見える所とか、会話のテンポもなんかもう全て言うこと無しに面白かった。

ただ1点言うならば、美容師の仕事が"カタツムリ並み"な点かな。
mai

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4.3
KBCシネマで観ました。
観ようか観まいか…迷ったのですが、1週間限定の上映でこれを逃したらもう観れない!という気持ちから観に行きました。
観て良かったと本当に思える映画でした。

ストーリー性があるわけでもないし、映像美があるわけでもないです(女性たちは美しいけれど)。でも、十二分に私に衝撃を与えてくれる映画でした。

美容室という(私からすると)明るく華やかなイメージの場所に反して、そこに集う女性たちは店員も客も全員何かしら鬱々とした気持ちを持っていて、それが言葉の端々や行動に現れています。他人に毒を吐いたり、そわそわと落ち着かなかったり。
それがどんどんと溜まっていって、外で起こった銃撃戦とともに今までギリギリ保てていたはずのバランスが一気に崩れます。
銃撃戦が起こる中でも化粧を続ける女性たちは気丈ながら、隠しきれない緊張と不安が入り混じったピリピリとした感情が顕在化してて、それが口論や喧嘩につながります。その中でも、何とか平静を取り戻そうと全員が努めているのが分かるからこそ、彼女たちと行き場のない不自由さが分かるからこそ、胸にくるものがあります。

この映画がリアリティのあるものなのか、それともフィクション寄りなのかは分かりません。でも、こんな世界が広がっているなんて…と思わずにはいられないです。

上映中、前半部分はポップコーンやジュースの音が周りから微かになっていたのに、後半部分に入るとそれもしなくなって、映画鑑賞者側までもが緊張している雰囲気になっていました。
上映後、席から動けずにいる人や、無言で帰っていくカップルが印象的でした。
面白い・面白くない、というよりかは、衝撃的かどうかで測るべき映画だと感じました。
丘

丘の感想・評価

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2018.10.20鑑賞。
パレスチナ、ガザの美容室。
各々の事情が見える閉じられた空間で、戦争状態を追体験する恐怖。

少女。怒りっぽい女、ロシア文学を愛する新婦、その母、姑。
恋人ともめている女、おしゃべりな女、敬虔な女、妊娠している女、女女女。
美容室の外には、ライオン。ライフル。恋人。男たち。銃弾。爆発。戦争。

「女は有能だからいい政府を作れる。ハマスがもたらすのは貧困と破壊だけ。イスラエルはおまけ」とおしゃべりな女が暗い部屋で言う。
あー、いいなぁ。
彼女たちの世界は、イスラエルなんかにどうこうされないんだ。

銃弾と爆弾に揺れる停電の美容室で、涙で口紅を塗る強さがたくましくて、でも一方で結局、男の戦争に振り回されて、疲れ果てて、平気な顔して泣いている。国に閉じ込められ、貧しく、治安は悪い。

本当に、「オシャレする。メイクをする。たわいないおしゃべりを、たわいない毎日を送る。それが、私たちの抵抗。」なんだろうか?
このコピーだけ見ると、「パワフルなイスラム女性たち」みたいなものを思わせられる気がするけど、実際みんな平気な顔してプツンとはちきれそうな緊張感、閉塞感、疲弊感がある。

本当にオシャレしてメイクすることが女の抵抗なのか。確かにそうであり、でも抵抗といっても、実に消極的で受動的な抵抗にしかなりえない。結局戦争に巻き込まれ、悲しい思いをしている女たち。重い。

ちなみに、ずいぶん手際が悪い美容室である。
一人の脱毛にどれだけ時間かかるんだろう。。
yuko

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3.0
2018.8.7 ディノスシネマズ札幌
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