いずみたつや

アリータ:バトル・エンジェルのいずみたつやのレビュー・感想・評価

4.5
人体の一部が機械の人や、顔以外は全部機械のアンドロイドなどなど、そこら中にギラギラとした金属が使われているSF的な世界観は、ありがちなようでいてかなり斬新に見えます。

その理由としては、やはり主人公を漫画的なデカ目にすることにさえこだわったキャメロンの突き抜けた原作愛が、ビジュアル面にそのまま反映されているからだと思います。

その一方で、軽快なストーリーと大胆な見せ場でエンターテインメントを盛り上げることに貢献したのがロバート・ロドリゲスなんだろうと思います。

キャメロンが書いた3時間分の脚本を的確に削って、テンポアップを実現させたというロバート・ロドリゲスの手腕は見事だと思います。

尖った異常な部分×エンターテインメント性の融合が実に上手くいった作品だと思うし、実際、まったく観ていて飽きがこない!

ストーリーの面白さは、やはり素晴らしい原作ゆえだと思いますが、超格差社会のグロテスクな部分がしっかりと伝わってくるところが重要だと思います。

クライマックスでマハーシャラ・アリが見せるとんでもなく残酷な真実にはゾッとさせられるし、だからこそその後のドラマが涙なしでは観られないものになっていきます。

あ、ちなみにマハーシャラ・アリをムダ遣いとする意見もあるようですが、いやいや!ノヴァ(エドワード・ノートン!)が乗り移った時の演技はさすがでしたよ。

ジャッキー・アール・ヘイリーはエンドクレジットまでどこに出てたか分からなかったので、これはムダ遣いと言われればそれまでかもしれませんが…(いや!そんなことは絶対にない!)。

製作費1.7億ドルという超大作ですが、残念なことに北米では撃沈…。しかし、中国を筆頭に47カ国でヒットを飛ばし、なんとか息を吹き返した模様です。

続編を作るなら、中国マネーでドカンとお願いします!!