たけちゃん

メリー・ポピンズ リターンズのたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
舞い上がるしかない!


ロブ・マーシャル監督 2018年製作
主演エミリー・ブラント


昨日は、午前中の苦行、雪はね3時間を終えて、午後からやっと行ってきました。ずっと楽しみにしていた「メリー・ポピンズ リターンズ」\(^o^)/

そして、今回のレビューはシリーズ「娯楽映画の福袋」を兼ねています!もちろん、今回は【おすすめ娯楽音楽映画】です。


音楽映画は難しかったぁ!
そもそも好きな作品が多過ぎて( ˘ ˘ )ウンウン
しかも、音楽映画と言っても、ミュージカル映画のような作品もあれば、ミュージシャンの伝記映画もあるし、イカした音楽の使われ方をする映画もある。
これは僕にはなかなかの難行でした。
でも、たけちゃんの基本は娯楽作ですから、楽しくなる作品がメインです。あと、なるべくジャンルやキャストが被らないようにしてみました。
だから「レ・ミゼラブル」も「ラ・ラ・ランド」も入りません。お許しをm(*_ _)m
「サウンド・オブ・ミュージック」もない!

では、福袋を開いてみましょう\(^o^)/



……
……
……パカッ


【おすすめ娯楽音楽映画】
メリー・ポピンズ
ストリート・オブ・ファイヤー
美女と野獣
グレイテスト・ショーマン
ベイビードライバー


【番外編 : 娯楽映画の中のDIVAたち】
レディー・ガガ「アリー/スター誕生」
クリスティーナ・アギレラ「バーレスク」
ホイットニー・ヒューストン「ボディガード」
ダイアナ・ロス「ウィズ」
ビヨンセ「ドリームガールズ」


もう、説明は要らないですね。全部レビュー済なので、もし、よろしければレビューを読んでくださいませ(^-^)

オリジナルの「メリー・ポピンズ」は観ている時の多幸感がたまらない。しかも名曲揃いで、文句なし。今回「リターンズ」のレビューでおすすめしたのもこのためです。
「ストリート・オブ・ファイヤー」はロック映画というジャンル代表として。西部劇のようなストーリーと合わせ、ライブシーンはアドレナリンが出まくります。
「美女と野獣」はエマ・ワトソンが演じるアニメ実写化の方ですよ。これは個人的にディズニーの実写化の最高傑作だと思います。素晴らしい!
そして、昨年の個人年間ベストの「グレイテスト・ショーマン」。ストーリーに関して聞こえる批判も分かりますが、やはり音楽の力の素晴らしさと多幸感を考えると1位は変わりません。
最後に「ベイビー・ドライバー」。
一昨年の年間1位ですが、音楽と映像のシンクロが素晴らしく、僕にとっては、これぞ音楽映画!という最高の作品でした。
もし、観ていないものがあれば、ぜひ、トライしてみてください。


あと、番外編で、音楽DIVAの出演したおすすめ映画を載せておきます。そちらは歌手に注目して、ぜひ、歌力をぞん分に感じてくださいませ( •̀ω•́ )و✧





さて、映画です!
これはすごく良かったです\(^o^)/
前作と全く同じテイストを期待するとダメですよ。
あとからジワジワとぐっと胸に来る作品でした。
でも、アゲアゲのハッピー映画ではありません。
観ている楽しさを求めると肩透かしを食います。
きちんと今の時代だからこそ語るべき理由があり、そこが押さえられているからです。
そのへんを語ってみましょう。



あれから20年。
イギリス、ロンドンは世界恐慌の只中。
不景気の風に人々の心もギスギス。
優しさや笑顔は消え失せました……。
そんな中、ガス燈の点灯夫であるジャックは笑顔で歌いながら仕事に励みます(^-^)

彼は前作のバートの立ち位置です。
演じるのはリン・マニュエル=ミランダ。
この方、存じませんでしたが、凄い方でした!
ブロードウェイ・ミュージカルで数々の賞を受賞し、映画関係でも、あの「スターウォーズ フォースの覚醒」で、マズ・カナタの酒場で歌われる曲を書いたり、僕も大好きな「モアナと伝説の海」の曲も彼の作品でした。
顔出しの作品としては、満を持してという感じですね。僕個人としては、前作のジャックのような底抜けの明るさを期待するとダメですが、暗い時代にも優しさを忘れないジャックは、とても良いキャラだと思いましたし、それを演じるリンも良かったですよ( ˘ ˘ )ウンウン


今作のいい所は、続編だというところです。
おそらく、オリジナルの前作は、好きな人が多過ぎて、誰がリメイクしてもオリジナルは超えられません。
僕もその1人。
アニメを実写化するのとは意味が違います。
さすがディズニーはそのへんをよく分かっている。
だから、リメイクではなく、続編として描きました。
そして、全体としてのプロットは、ほぼ同じ。
これで前作ファンもガッカリさせません。
舞台も前作から20年後。
あの子供たち、ジェーンとマイケルが大人になり、親となっているのです。
現実の世界に揉まれ、大人になると子供の頃持っていた想像力が失われますよね。
平成が終わる僕らの時代も閉塞感が増し、未来への明るい希望は失われているのと同様です。
特に今作ではマイケル。
1年前に妻に先立たれ、3人の子供を守るために必死に生きています。夢だった画家を諦め、銀行で働く毎日。そこに夢や希望、想像力の入り込む余地はないんです。

そんな中、生まれ育ったわが家も借金の抵当として取り上げられるハメに。そこに彼女がやってくるのです。
メリー・ポピンズが……



エミリー・ブラントのメリー・ポピンズは完璧でしたね!立ち居振る舞いもそうですし、何よりも歌です。
今回、僕の地元が吹き替えしか上映していなくて、吹き替えでの鑑賞でしたが、サントラ盤で歌は聴いていましたから。そのエミリーの歌が素晴らしいんです。かなり練習したそうですが、ジュリー・アンドリュースに負けない歌声になっていましたね。吹き替えの平原綾香さんも良かったのですが、やはりエミリー・ブラントの歌を楽しみたいです。字幕版の公開を希望します!


映画の手触りはどこまでも続編。
このへんはロブ・マーシャル監督で良かったかと。
どちらかというと、ロブ監督の演出は古典的で古いですよね。でも、特にミュージカルシーンは、それ故に昔の「メリー・ポピンズ」を彷彿して良かったなぁ。
また、前作で見せたアニメと実写の融合も、今の技術でしっかり再現して見せますよね。

お風呂に入るシーンは夢があったなぁ。
子供の頃、お風呂って遊びの延長でしたよね。
ただ、体をゴシゴシ洗われるだけの場所なら、それは苦行だ。でも、おもちゃを持ち込んで、遊びながら入るお風呂は、一番想像力が発揮出来る場所でしたよね。めっちゃ楽しかった😊
小さいお子さんのいるみなさんは、ぜひ、お風呂で子供とめいっぱい遊んでくださいね( ˘ ˘ )ウンウン

あと、割れたお皿を直すためにお皿の中に入るシーンは、前作のバートが描いた絵の中に入るのと同様の展開。絵のタッチが50年前のディテール。ここは予告編から一番観たかったシーンでした。わざわざ昔のアニメーターを集めたというんだから、恐れ入る。懐かしいペンギンたちも登場します!


2人の両親は亡くなっていましたが、懐かしい人たちも再登場。ここもオリジナルファンを喜ばせますよね~。もちろん、配役は変わってますが……。

まずはバンクス家の家政婦エレン。
ちゃんと20年、年取ってました(笑)
今作ではジュリー・ウォルターズが演じていますが、ジュリーはいいですよねぇ。御歳68歳とは思えない。上手いです!ハリポタのモリーおばさんもそうですが、昨年は「マンマミーア ヒアウイゴー」でロージーを演じていましたからね。驚きました!

そして、お隣に住むブーム提督。
今作はデビッド・ワーナーが演じましたが、全く同じでした(笑)。嬉しい( ˘ ˘ )ウンウン

そしてそして、これはネタバレになるのかなぁ。
みんな知ってる気もするけど……。
銀行頭取のドース・ジュニア役であの方が出ます!
前作ではドース・シニアを演じてましたからね。
これはほぼ答えだ(笑)。
でも、これが1番のお楽しみ。
92歳なのに素晴らしい踊りを披露。
ぜひ、映画を観て確かめてね\(^o^)/


ということで、前作の香りを漂わせながらも、ストーリーはちゃんと現代のメリー・ポピンズになっていました。
よく語られるように、今の日本って、不景気が長引き、未来に夢がなくて、大戦前のイギリスの雰囲気に重なるところがあります。そうだからと言って、右傾化してはいけません。
実は、今朝、僕の車が家の前で雪に埋まってしまい、出られなくなりました。スコップ持って、あれこれしていたら、ご近所の方たちが次々と集まってきて、あーだこーだと手を貸して下さり、助け出してくれました。ありがたい!
こんなご近所を持つ僕は幸せですよね。
まだ、日本は捨てたもんじゃない( ˘ ˘ )ウンウン

大人になったからと言って、忘れてはいけないことがある。特に、それがあるからこそ、この生きにくい時代を楽しく生き抜いて行ける。子供を叱りつけて、虐待し、抑え込むような育て方をしてしまう大人にこそ観て欲しいですね。忙しくても忘れてはいけない。これは「プーと大人になった僕」と同じテーマです( ˘ ˘ )ウンウン
そこが今、語るべきストーリーなんですね。



さて、最後に音ネタ💩ウンチクンです!
この日のためにサントラ盤買いました( •̀ω•́ )و✧
僕が買ったのはオリジナルの英語版と日本語版の両方が同梱されている「デラックス版」。
残念ながら、地元は吹き替え版しか公開がなかったんですが、僕はそこを字幕版のサントラ盤で補っていますよ( ˘ ˘ )ウンウン

さて、音ネタ解説なので、これ以降はネタバレになるので、映画を観てから楽しんでね(^-^)





オープニングはジャックの歌う「愛しのロンドンの空」です。時代の空気を考えるとそんなに優しくなれるはずもないのに、ジャックの歌はどこまでも優しい☺
この曲がこの映画の空気を一番表しています。
「光差す大地には宝物がたくさんあるんだ」。
辛いことの多い中にも、笑顔や優しさを忘れてはいけないんだ、と。ジャックはその象徴でした。
実は、エンドロールで再び歌うんだけど、この映画の中で、ジャックは全く変わらないんですよ。どんな時代になっても、変わってはいけないもの、それをジャックは体現していました( ˘ ˘ )ウンウン

そして、オープニングクレジットの「メリーポピンズ リターンズ 序曲」が流れます。ここがいいんだよねぇ。
前作の雰囲気そのままにクレジットが流れ、ロンドンの街並みが映る。帰ってきました\(^o^)/


そこから場面変わって、ベン・ウィショーが演じるマイケルが歌う「君はどこへ」。
「静かなんだ、君が去ってから……」
この曲はマイケルの喪失感がこれ以上なく出ていて、切ないですよね。
映画は、この喪失感からのスタートで、今作は子供たちメインかと思いきや、実は前作のバンクスお父さん同様、父親マイケル救済のストーリーでした。
これは参りました( ˘ ˘ )ウンウン


そして、メリー・ポピンズ登場!
「想像できる?」とお風呂に入ります。
前作なら部屋の片付けで「お砂糖ひとさじで」を歌う場面かな?
予告編にあったバスタブにメリーが入っていく場面。
この曲も聴く度に良くなるんだよね~。
「Can You Imagine That?」のリフレインがサイコーに楽しい( ˘ ˘ )ウンウン
あと、ここは前作にはなかった水中のシーン。
ここは今作のオリジナリティが溢れるシーンで、素晴らしいです。


そして、壊れた器を直すためにその絵の中に入っていく「ロイヤルドルトン・ミュージックホール」。
ここは前作でバートが地面に描いた絵の中に飛び込む場面を思い出させますね。映画の中でも一番ファンタジーな場面で、もうウキウキしますよね( ˘ ˘ )ウンウン
2Dで描かれるアニメが素晴らしい。
また、ここはエミリー・ブラントの歌と踊りを堪能出来る場面でもあります。ジュリーの声とよく似てるんだよなぁ。感心しましたよ!

そして、「本は表紙じゃ分からない」は、外見だけで判断してはいけないという教訓。実は銀行にいるあの方を暗示しています!
あとはメリー・ポピンズとジャック、そして、ペンギンたちとのパフォーマンスを心ゆくまで楽しみましょう\(^o^)/ワーイ


子供たちの寂しい心を埋めるように歌う「幸せのありか」は、今作の白眉だと思います。ある意味、マイケルの歌う「君はどこへ」へのアンサーにもなっている。だから、これが後半に生きてくるんですよね!


メリル・ストリープ演じるメリー・ポピンズのいとこトプシーが歌う「ひっくりカメ」はサイコーに楽しい。
ここは前作の笑うと浮いてしまうアルバートおじさんのシーンを思い出させますね。
それにしても、ここのメリル・ストリープはサイコーでしたね。僕はメリルをそんなに歌が上手いと思ってないんですが、彼女は演技として歌うのが上手いんです。実に味があるし、楽しい!
ここにしか出ないのが残念( ˘ ˘ )ウンウン


前作の煙突掃除の場面で歌われる「チムチムチェリー」に当たるのが、点灯夫たちが歌う「小さな火を灯せ」です。
霧で道に迷った子供たちを案内する話ですが、同時にここは、人生という道に迷った時、小さな火を灯していくことの大切さを歌います。夜明け前が一番暗い。だから、諦めず「小さな明かりを素敵に灯そう」と歌います。
ここにジャックという人物の人生観も現れていて、とても素晴らしいなぁと思いました。


遅くなって帰宅した子供たちを、ついきつく叱ってしまったマイケル。心に余裕が無くなっているんです。そんな自分が嫌になるマイケル。
その姿を見て子供たちが歌うのが「幸せのありか」なんです。これはたまらない( ˘ ˘ )ウンウン
メリー・ポピンズが子供たちに伝えたことを、今度は子供たちがマイケルに伝えていく。そして、マイケルは忘れていた大切なことを思い出していくんです。


探していた株券が思わぬところで見つかり、銀行へ向かうマイケルたち。しかし、約束の時間が迫ります!
メリー・ポピンズもサノスのように時間を操るのか?と、思いきや、まさかの展開に。魔法で解決したのでは奇跡は起こらないんですよね。ここは素晴らしかったなぁ。
そして、ドース・ジュニアの登場。
まさかのディック=ヴァン・ダイクが語る「2ペンス」の秘密。ここは泣きました( ˘ ˘ )ウンウン


最後に「舞い上がるしかない」でのエンディング。
素晴らしかったなぁ。
本当に「メリー・ポピンズ」でした。
心の重荷が解けて、心が軽くなると舞い上がるんです。
多幸感では前作に叶わないんだけど、とってもファンタスティックなお話で、癒されました!
心に癒しを求める全ての方におすすめします。
できれば、歌の意味も確認してね( •̀ω•́ )و✧




ところで、どうすればうちにメリーポピンズが来てくれるんだろう。
風か?
風向きの問題なのか?(笑)
それではまるで「風の又三郎」だよね。
それとも、僕が夢を失って、困り果てるといいのか?
こんな能天気に生きてるならメリーは来ないよね。
でも、それはきっと、いいことです。
メリーが来なくても、家族幸せに暮らしている。
それを目標にこれからも頑張ろう( ˘ ˘ )ウンウン



2019年7月15日
BDで再鑑賞!
今回はしっかり字幕版で堪能しました~。
サントラ聴き込んでいたんで、歌も覚えていたし、前よりもっと楽しめました( ˘ ˘ )ウンウン

あと、特典のディック・バン・ダイクのメイキング、感動しちゃったなぁ。
それだけでも今作は価値がありますね( •̀ω•́ )و✧


字幕版の後、吹替版でもまた観ちゃいましたが、吹替版の出来の良さに改めて感動しています。
字幕版の後なのに嫌なところが全然なかった。
メリーポピンズ役の平原綾香さん、上手かったですね~。感心しましたよ!
どちらもおすすめ出来そうです( •̀ω•́ )و✧