シュウ

メリー・ポピンズ リターンズのシュウのレビュー・感想・評価

3.9
ディズニーランドのショーみたいな映画。
前の「メリー・ポピンズ」の雰囲気そのままに、さらにミュージカルショー感が増してた。
あと、最近ハードな展開の映画が多かったし、こんな笑顔のエミリー・ブラントの映画久しぶりに見たと思う。

1930年代、世界恐慌時代のロンドン。
かつて子供だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)とジェーン・バンクス(エミリー・モーティマー)もすっかり大人になり、マイケルにはジョン(ナサナエル・サレー)、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)の3人の子供がいた。
一家はこの不景気に加え去年ジョンたちの母親が亡くなったこともあってとにかく不幸続きだった。
しかしそこにさらに追い打ちがかかる。
マイケルが内緒で銀行から借りていた借金の取立によって、自宅が差し押さえを受けることになってしまったのだ。
唯一の希望は父親から相続したはずの銀行の株の証書を見つけること。
期限まであと5日というところでマイケルとジェーンがいっぱいいっぱいのところに、2人のナニーを勤めていたメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が突然やってくるのだった。


前作から20年ほど経った時代でのバンクス家の奮闘を描くわけだけれど、かつて少年だったマイケルとジェーンもすっかり大人になってしまい、メリー・ポピンズの奇跡も信じなくなってしまった。
今思えば前作でも父親のジョージも最初は信じてなかったけど、それを今作では想像力を無くしてしまったからという風に言われてる。
まあそりゃ世界恐慌みたいなどうにもならないような時代で、しかも本職は画家ともなればそういう風になっても仕方ないだろとは思うけど。
そんな時代でもメリー・ポピンズの奇跡と想像力で何とかして行こうっていうのが主な流れ。
敵役のウィリアム・ウィルキンズはまさにそういう想像力を失った大人代表みたいな人物。
でもなんであそこまで抵当にやたら執着するのか正直意味不明だし、そもそもこういうテーマで明確なヴィランな設定ってのは良いのかな?とは思ったり。
なので、個人的にはそこまで心打たれる話ではなかった。
頭痛がひどかったのもあったのかもしれないけど、一方で隣の人は終盤手前あたりからすでに鼻すすって泣いててすげーなって勝手に思ってた。

前作では60年代の2Dアニメーションと実写の融合ということが大きな魅力だったので、今回もその雰囲気を崩さないようにアニメーションやCGを組み込んでいる。
最近は3DCGばっかりだしそっちの方がやりやすいだろうに、まさか本当に2Dアニメーションを合成のはすごい力の入れ様。
これがあってこそのメリー・ポピンズでしょというのもあるからだろうけど、このためにわざわざ引退したアニメーターまで呼んできて作ったそうだし、当時のクラシックなアニメを組み込もうという思いを感じる。
なんか続編の構想もあるみたいだけど、その時もまた呼んで来てもらうのだろうか。
でも、肝心の実写パートも全然負けてない。
エミリー・ブラントもリン=マニュエル・ミランダも、ついには御年93歳のディック・ヴァン・ダイクまで踊りまくる。
93歳で意気揚々とタップダンス踊ってるって元気とかそんなレベルをはるかに超えてるし、とにかくまだまだ長生きしてくれそうで良かった。
リン=マニュエル・ミランダはこれまで全然名前を知らなくて、「モアナと伝説の海」の作曲・歌唱担当って聞いてそうだったのかと思ったけど、全然歌って踊れてるしミュージカル俳優としてもやっていけそう。
ベン・ウィショーも歌声は初めて聞いたけど、なんとなく予想通り上手かったし、さすがディズニーはキャスティングは絶対外さないよなと思った。

前作の雰囲気を大切にする一方で、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」みたいな超印象に残ってる曲が劇中で出てこなかったのはちょっと残念。
一応フレーズの引用って形で何曲か前作の曲から来てるものはあるけど、それをするにしてももうちょっと分かりやすいオマージュにしてほしかったな。