Takuya

メリー・ポピンズ リターンズのTakuyaのレビュー・感想・評価

5.0
2019年3作目。

子供向けの映画じゃない、成長した大人のための映画

かれこれ2回観たあと、前作を見直して3回目の鑑賞。最初の評価とはまた色々変わったので再投下。
観れば観るほど新たな発見がある素晴らしい映画。

まずネタバレを避けた簡単なあらすじ。
前作メリーポピンズにお世話になった兄弟、ジェーンとマイケルが大人になり、その子供たちの元へ再びメリーポピンズが現れる。

まず注目してほしいのは、今作でメリーポピンズを演じるエミリーブラント。彼女の演技力、表現力、歌唱力には鳥肌がたった。決して前作のメリーポピンズ役ジュリーのモノマネではなく、彼女独自のメリーポピンズを築き上げたように感じる。子供達に厳しい目線を向けるも見えないところで子供達の成長を喜んでいる様子や、ワクワクする展開に自らも笑顔になる茶目っ気も健在。好き。

そして、成長したマイケル役のベン・ウィショーの演技も魅入ってしまう。悲劇に見舞われる難しい役を見事にこなした。実際、自分はマイケルにがっつり感情移入をしてしまった。

ここからは若干ネタバレ要素(核心にはなるべく触れない程度)が含まれるが、ストーリー自体は前作の流れを汲んでいる。困っている家族の元にメリーポピンズが現れ、不思議な冒険があり、子供達が銀行に行き、煙突掃除人(点灯人)の長いダンスに付き合いラストへの流れとなる。
だが、前作と違う点はテンポの良さである。前作は斬新さ、狂気は秀でていたが、いかんせん前半ですでに不思議の飽和がひどく展開も終盤じゃないと大きく動かないため観るのがしんどくなる場面があった。(特に煙突掃除人のダンスは本当に長い)
それと比べて今回は、前作のアニメーションにCGが加わり、ワクワクが溢れ出す演出は健在。前中盤の冒険シーンにアクションが加わり冒険要素が強まり、物語の展開も着実に伏線を展開・回収し、進展していく。さらには前作からの伏線もあり、古参ファンにはたまらないサービスもあった。

そして楽曲の良さも群を抜いて素晴らしい。歌唱曲は全て新曲だがメリーポピンズとマイケル達の再会シーンのバックミュージックにはあの懐かしい曲、そして後半のシーンにも前作の楽曲が使われており前作好きにはたまらないだろう。
ポップからバラードまでバランスが良く揃っており、歌詞も前作を匂わせる単語が揃っている。ぜひ英語の歌詞を読んでほしい。めちゃくちゃエモい。

そして、ここからが大人向けの映画と述べた理由。
まず、個人の解釈になるがこの物語の主人公は、三人の子供達である。と、同時に前作の主人公マイケルもまた同様に今作でも主人公である。
ここでのマイケルはいわば観客である。大人になるにつれて悲劇を避けて通れる人間はそんなにいないだろう。劇中のマイケルと同じように大きい壁にぶつかり、考えすぎて凝り固まってしまった人もいるだろう。

この映画は、子供の気持ちを忘れたマイケル(=観客)のための映画だ。
最初はお風呂が海になったり、陶器の世界へ行ったりら馬鹿馬鹿しいと思うかもしれない。だが昔はそんな想像が普通で楽しくてしょうがなかったはず。
Now I feel like that boy
With a shiny new toy
この映画を見ればきっとこんな気持ちになる。また少年の心を取り戻したい方、急いで映画館へ行きましょう。
Off we go!




ここからがっつり考察のためネタバレ注


・なぜコリンファースは飛べなかったのか。
ここに関しては最初に見た時がっかりしたポイントだった。頭取をクビになるときも反省している様子ではなかったから改心はしていなさそう。→風船を選ぶ際も注意深く選んでなかった可能性がある。その後の表情でやっと反省の色があるように思う。
個人的には飛んでも良かったと思うが、難しいところ。
can you imagine that?の歌詞で
yet some others wear an anchor
and they sink in seconds flat
ここはコリンファースのことを指していたから飛ばなかったのかな。

・家族を結ぶ凧と母の存在
今回の物語のキーは凧である。これは前作を観た人ならわかるが、前作の最後で家族と一緒に凧を揚げるシーンがあり、その凧が今作にも登場する。
凧は英語でkite
そして1年前に亡くなった母の名前がkate
完全に憶測だが、母が死んでバラバラになりかける家族を再び凧が結びつける構図を観るとkite ≒ kateみたいな解釈もでき得るなと。
そうなるとマイケルが凧を捨てるシーンは、「過去を振り返らない」というセリフから、もうkateの死を忘れ前に進むメタファーと受け取れる。だが最終的には凧は重要な役割を担い再び家族の絆を取り戻させる。こう考えると物語全体がエモくなるのではないか。
追記:Marikoさんがコメント欄でこの考察の補足をしていただきました!めっちゃわかりやすいのでぜひ!

・時計塔のくだり、最初から飛べよ問題
たしかに!!でも教育係のメリーポピンズがなんでも最初からやったら意味なくないとも思わないではない。
仕事教えるときもなんでも自分がやったら教えた人が上達しないのと一緒かと。

・恋愛パート
ジェーンとジャックの恋愛要素は必要か?ここは前作にはなかった要素である。
まず個人の解釈としてメリーポピンズは三人の子供たちと前作の主人公マイケルとジェーン五人の世話をしに来たと考えている。
子供達とマイケルは家族の絆を取り戻すことによって助けた。
ジェーンに関しては恋愛から遠ざかっていた描写が最初にある。そしてメリーポピンズがジャックにジェーンの情報を伝えたり、労働組合の手伝いにジャックを行かせたり気を回していたのは、ジェーンの相手を見つける手伝いをしたと考えられる。

・印象に残ったシーン
メリーポピンズ、ママチャリでロンドンの街を爆走

・個人的に最高にエモい歌詞
最後の曲のマイケルパート
Start feeding the birds
And then go fly a kite
これ前作の話だと見直して気づいた。
大人になっても子供の頃の嬉しかった記憶、戻れない過去の記憶ってとても哀愁があって涙腺が緩む。

以上、かなりの長く乱雑な感想考察になってしまったがメリーポピンズリターンズの良さを伝えたい一心で書きなぐってしまった。
これを読んで誰か一人でも劇場に赴いてくれればと切に願う。
自分も上映が終わる前に4回目の鑑賞をしようと思う。6匹いる隠れミッキーまだ1匹も見つけてないし。
以上が今回の感想。感想で初めて1000字超えた気がする…
メリーポピンズリターンズに関して自分は別の解釈だ、などがあったらぜひ聞きたいです。コメントで語りましょう!!