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メリー・ポピンズ リターンズのsachiのレビュー・感想・評価

4.3
18

まさか2019年になってメリーポピンズの新作映画を観ることが出来るなんて!

わたしは大人になってから有名な児童文学をいくつか読んだのですが、中でも『メアリー・ポピンズ』シリーズは、ことさら大好きな物語です。子供にベタベタせずクールで、いかにも英国らしく高邁なナニー。常識にとらわれず物事の本質をしっかり見抜き、どんなことにも楽しさは見出せるのだと教えるメアリー・ポピンズは、わたしの理想とする人。しかも彼女のいるところ、そこかしこに魔法とファンタジーと冒険が潜んでいる!

ジュリー・アンドリュースの映画もアメリカ風ではあるけれどとても好きで、数々の名曲があるサントラはよく聴きます。この時の音楽があまりにも有名なため、今回はそれがネックになるんではと懸念したし実際それは厳しかったと見え。ヘタに乗り越えようと頑張り過ぎずに十分たのしく仕上がっていたのでは。もうでも終わってから『A Spoonful of Sugar』『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』とか聴きたくて仕方がなくなってしまうのは致し方なし。

キャスティングが良くて、エミリー・ブラントのメリー・ポピンズはすんなり受け入れられるし、ベン・ウィショーとエミリー・モーティマーはちゃんとマイケルとジェーンの大人になった姿に見える。ディック・ヴァン・ダイクのダンスに、コリン・ファースの悪役もめずらしくて(アニメーションパートのオオカミの声までとは)見所いっぱい。ロイヤルドルトンのレトロスタイルな国でのショウに最も心が震えました。ただ、物語の骨格が弱く、後半やラストは失速気味だったのがちょっと残念。
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